第参夜 消音
これは、私の同級生Y氏から聞いた話。
彼は小学校に上がるまで、本州に住んでいた。
この話は、まだ幼かったY氏が体験した話だ。
祖母の家でテレビを見ていた。
夜…九時を少し過ぎたころ。家族でテレビを見て、くつろいでいるとふっ…と、急に音が聞こえなくなった。周りには、祖母も姉も両親もいる。祖母が何かを話しているけれど、聞こえない。テレビも映像だけで、何を言っているのかわからない。
変だな、と思った。
そして、それを訴えようとした。
が、声が出ない。話せない。
おかしい。絶対におかしい。
辺りをきょろきょろと見まわし、はたと、縁側の雨戸にナニかがいるのに気付いた。
それは、一つ目の白い物体だった。絵本などで見る、『お化け』そのものだった。
それは、Y氏と目が合った瞬間すうっと、消えていったという。
一つ目が消えると、音が聞こえるようになり声も出せるようになった。
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