第30話光る石2
白族を中心とした北部大理方面とこの昆明、
さらに南のミャンマー、ラオスとの国境地帯、
ゴールデントライアングルといわれる
西双版納方面とに分かれている。
漢民族はこの省では少数派で約30の
山岳民族がその大半を占めている。
昆明の近郊に石林しーりんという
超特大カストロ大地があって、日本の
秋吉台の比ではない、ここで
アミ族の農民が1945年の8月に
鍾乳洞の中で光る石を見つけた。
しばらく自宅に隠し持っていたが
時々不気味に光るので気味が悪くなり
博物館に届けたのだ。
この博物館館長の陳学良は超自然現象の
専門家で光る石の記録も細かく記されていた。
光る石は地震計のように
その程度に応じて輝いているようだ。
ちなみに相当大きく輝いたと思われる
1945年8月以降の年次と
それに符合する事件とを列挙してみると、
とんでもないことが分かった。
1946年6月 ビキニ原爆実験(米)
1949年8月 原爆実験(ソ連)
1951年4月 朝鮮戦争
1952年10月 原爆実験(英)
1954年3月 ビキニ水爆実験(米)
1957年5月 水爆実験(英)
1960年2月 サハラ原爆実験(仏)
1961年9月 核実験再開(ソ連)
1962年10月 キューバ危機
1964年10月 中国初の原爆実験
1965年2月 ベトナム戦争
1966年7月 仏、核実験
1967年6月 中国、水爆実験
1968年9月 仏、水爆実験
1970年10月 中国、3メガトン水爆実験
1974年5月 インド、地下核実験
1979年12月 アフガン戦争
1986年4月 チェルノブイリ事故
1991年1月 湾岸戦争
これは偶然なのか、まさに人類の生命の危機を
報せるセンサーそのものではないか。
キーツと情報を詳しく交換してみた。
キーツは大英博物館の日誌から
光る石が輝いた記録を一覧表にしてみた。
すると核実験のみならず人類の一触即発の
危機のときには必ず警告を発するがごとくに
不気味に青く輝いているのだ。
もう間違いない。光る石は地球と人類の
生命の危機のときにその危険を警告するのだ。
もうひとつの発見はその危機が回避できた時には
光る石は明るいピンクに輝きだしたという点だ。
キューバ危機のときの色の変化がそれを物語っている。
光る石はまさに地球が保持するナムストーンのようだ。
おそらくペルーの石もメキシコの石も同様のはずだ。
「何か地球規模の事件が起きたときには石に
変化が起こるはずですので注意して観察をお願いします」
オサムは両館長に依頼のメールを送った。
それにしても光る石にしろナムストーンにしろ
もっと存在していてよさそうなのに、
ほんとにこれだけしかないのだろうか?
今後地球的規模で危機が迫った時には
必ずあちこちで光るはずだ。
地球の危機を報せる光る石と
我々の持つナムストーンとの
関係はどうなのか、まだまだ謎は多かった。
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