第112話 空撃

京都府 舞鶴市 海上自衛隊航空基地 通信司令室 



慌ただしさ増す通信室内に、飛び交うあらゆる交信内容



その中 京都殲滅部隊の無線内容から室内が緊迫する



「ザァァァ 第12分隊瓜生班 桜井班応答しろ ザァ」



「ザァ 本部へ こちら護衛艦くらま艦長高峰 米海軍との合同による宮崎沿岸部の集中砲撃 只今掃討完了 これより佐世保への帰港を開始する ザザ」



通信兵7「本部了解しました」



「ザァ おい… 桜井3曹… 返事しろ… ザァァ」



「ザァザァ 第5小隊星野班、現在第8班、13班との合流を果たしました これより撤退を開始します ザァァ」



通信兵15「本部了解 すぐに帰還せよ」



「ザザァ 本部 こちら第1小隊坂本班、自力での脱出不能… 救出要請願います… ザァー」



「ザザ 本部…本部へ…こちら第4分隊蔵四木班の大森です… 蔵四木班長死亡 他…坂上も田村も…隊員7名が奴等の餌食に… もう辺りは奴等で埋め尽くされてます…こちらも自力での離脱は困難をきわめてます ザザ」



通信兵3「本部了解 大森2士 基地から全救出ヘリ隊、攻撃ヘリ隊が進発した。今そちらへ向かってる。到着まで何とか奴等から身を隠し生き延びてくれ…」



「ザザザザ こちら大森 了解しました… ザァァァ 頼みます… 次々と仲間が…ザァ」



通信兵「第5、第8、第13の3班のみが自力による撤退を開始 他の班は撤退不能」



「ザァー こちらAHー1コブラ隊 目標到着 故障する3台のLAV(軽装甲機動車)を発見 車両の屋根に避難する隊員等を確認しました… 凄い数のゾンビ共が車両に群れてる… ザザ」



通信兵6「本部了解 すぐに空撃にあたれ…ただし…TOWやハイドラなどのロケット弾は使用するな」



「ザ コブラ01了解 これよりミニガンにより一掃する ザザ」



「ザザァ コブラ02も了解 攻撃を開始するザザ」



各地で戦闘が繰り広げられる中



1人の通信兵が宮本、小西、もがみ、志水へ報告した。



通信兵2「東北自動車道の目標ポイントへまもなく米軍の第115攻撃飛行隊が到着します」



そして4人は東北自動車を映すモニター画面へ視線を向けた。



人は滅びの道を歩むしかないのか…?



人はこの大惨事を前に無力でしかないのか…?



人には…恐怖や絶望に右往左往し…ただ…ひれ伏すしか選択肢はないのか…?



ただ…泣き叫びながら…ただ…滅びる運命に従うしか道はないのか…?



いや…違う…



生きようと強く願う者達がいる限り…



人は無力じゃない…



人には…高い知能がある…



困難を打開する知恵がある…



知を結集させ、力を合わせ困難を乗り切る団結力が人にはある…



ここで…この地で生きる権利を守る為



生存し続ける為に…



そんな強い意志を持った人がいる限り…



俺等は絶滅などしない…



何故なら…もう1つ…



人にはおまえ等に無い絶対的な力がある…



それは…このほし(地球)で唯一人しか持たない力…



手にした力がある…



太古から数々と生み出され、蓄積され、培われ、磨かれてきた人々の衆知



そう…人にはテクノロジーというものがある…



その科学が詰め込まれた集大成



戦う為に作り出された知の産物



現代兵器がある



これから抗う人間の真力を見せてやる…



東北自動車道 塩原付近



隊長機パイロット「I confirmed it  That is a beacon.(あった あれがビーコンだな)」



音速で飛行する4機のホーネットが減速しながらそのまま大群で押し寄せるゾンビ等の遥か上空を駆け抜けて行った。



ジェット音に反応し空を見上げるゾンビ達



そして数キロにも及ぶ群れを肉眼で視認するパイロット達



「Hey!watch this.(おい!こいつを見てみろよ)」



「Oh…It is a great numerical zombies.(あぁ…凄い数のゾンビ達だな)」



隊長機パイロット「The distance to zombies and a beacon…(ゾンビ達とビーコンまでの距離は…)」



ゾンビ等の最後尾を通り過ぎ、音速の1200から200キロまで更に速度を弱めた戦闘機は右へと大きく旋回を始めた。



「100feet」



隊長機パイロット「Well…Each a fighters…There are approximately 100feet to beacon of the aim.(そうだな…各機…目標のビーコンまでおよそ100フィートはあるだろう…)」



旋回した4機が行進頭上を颯爽と飛行し、ゾンビ等の先頭を通り過ぎて行く。



隊長機パイロット「Do you fire a blow bullet and missile?(一発、弾とミサイルでも撃ち込んでやるか?)」



「I will do it(やってやりましょう)」



「Yes sir」



「Ohーyarー Gang ho(よーし!やってやろうぜ)」



隊長機パイロット「Third.the fourth… you wait!second fighter follow me.(3番4番…おまえ等は待機 2番機 ついて来い)」



そして、ホーネットの2機が再び旋回を始めゾンビ等の行進へ機体を向けた。



隊長機パイロット「Conning tower!This strike fighter squadrow115!I start an attack at this.(コニングタワー!こちら第115攻撃飛行隊!これより攻撃を開始する)」



「ジィ!This conning tower ok startan attack(こちら司令塔 了解した攻撃しろ)」



隊長機パイロット「yes sir」



滑空する様にゾンビの群れへ機体を向けるホーネット



パイロットが発射ボタンへ指を添えながら



「Super needle Allow1 fox3」



「Super needle Allow2 magunam」



一番機のホーネットからバルカンが連射され、2番機のホーネットから対地用ミサイル、AGMー65マーベリックが発射された。



一発のマーベリックが煙りの尾をつけ目標へ飛来



そしてマーベリックは行進のど真ん中で着弾するや爆発を起こした。



ドカァァァァァ



直撃した道路に黒煙が舞い上がり、それに紛れ、爆心2~3メートル四方へゾンビ肉片が飛散する。



バルカン一発でゾンビ2~3体を軽々と貫通させ、受けた頭部は跡形も無く消し飛んで行った



隊長機パイロット「Third and fourth!attack」



こうして東北自動車道でも戦闘が開始された。

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