2017/01

なにをもってして良い作品かなんてのは人によって全然違うと思うんですけど、情報量が適切かどうかは自分にとっては作品を考えるいい尺度だなって思うんですよね。


同じ文章の量、本の冊数だったとしても、話がどんどん動くようなものもあれば、ぜんぜん動かないものもある。描写が濃厚だったり、もしくは淡かったり。


そんなんでいくと、過去にケータイ小説と言われたようなジャンルのものって、文字量に対して話の動くスピードはものすごく早かったなと思うんです。文庫本だと薄い部類だと思いますけど、一冊でほぼ一人の人生を十年くらい語っちゃったり。描写などを考えると(これが悪い言い方にならなきゃいいと願いますが)全編あらすじ、みたいな感じ。

一方で、先日読んだ西尾維新先生の『人類最強の~』シリーズは、文字量はすごいんですけど、お話の中でした行動を考えてみると、本当に少ない。(これも悪い言い方にならなきゃいいなと思ってますが)あらすじにすると描写や会話を含められないから、すごく短くまとめられそう。


同じ作家さんでも濃度が変化する人はいて、たとえば福本伸行宣先生のマンガなんかだと『カイジ』の初期シリーズと現在シリーズではずいぶん一話あたり、コミックス一冊あたりのお話の進み方が違います。『アカギ』なんて『天』全編より長く鷲頭麻雀続けてるんじゃないだろうか。

同じく『ONE PIECE』も。最近はずいぶん情報量が濃い、濃すぎる。一つの島での事件が終わるまで二、三年くらいかかってることもあります。濃すぎて本誌連載だとちょっと掴みきれないくらい。


web小説での情報量はどのくらいが適当なのか……は判りませんが、いわゆる『異世界転生もの』はひとつの目安になるんだろうな、などと思っています。しっかり読んだことは殆どないんですけど、人気がある作品は、そういう情報量のバランスなんかは、最適なんだろうなって思うんですよね。

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