2017/02

 一応、次の作品作りを進めています。しかし人生作品作りだけにも注力できないので、どうしても進みは遅々としております。間に合うかなぁ……間に合わせたいなぁ……


 ひとつ作家や作品を知るとその作品群は追いかけるタチなのですが、いまちょうど公開されている『虐殺器官』の作家、伊藤計劃氏についてもひょんなところから作品を追いかけていました。最初は『虐殺器官』を文庫で手に取ったのが最初だったと思うのですけれども。

 虐殺器官のあとは確か『ハーモニー』を読んで、それから『屍者の帝国』をすこし時間があいてから手に取った気がします。『屍者の帝国』は円上塔氏の文章なので、自分にとってはすこし読みづらい印象がありました。伊藤計劃氏の作品群はどんどんアニメ映画化されていてすごいなと思っています。

 伊藤計劃氏に限らず、いつのころからかはわからないですが、アニメ映画はどんどん盛り上がっている印象がある。


 そもそもそんなに映画をたくさん観るような人間でもないのですが、情報を集める範囲だと和製アニメ映画に惹かれることが多いみたいです。洋画はあまり尖ったものを劇場で見つけるのが難しいし、邦画は原作付き作品で、原作のほうがなじみのあるメディアだったりすることが多く。アニメ映画はまだオリジナルの度合いが濃いと感じているのかもしれません。

 自分としては劇場で観るならば初めて触れる作品であることがうれしいわけで、それが原作ありでもいいんですが、観終ったあとにどうしても「原作ではどうだったんだろう?」なんて考えてしまったりして、それなら最初から原作から入ろうかななんて思ってしまうんですね。結果として、原作ありの作品は原作読もうって判断で観にいかなかったりして。損な性格です。


 お話を戻しまして。『ハーモニー』は決して、最後にスカっとするような作品ではないと思うのですが、キャラクターの関係や世界の作りがとっても良くできていて、美しいなと思っています。それに「ハーモニー」というタイトルまでついているのだから素晴らしいです。本当に伊藤計劃氏が若くして亡くなられたのは残念なことです。

 これが映画版でも、それのために選ばれた映像や未来像は自分としてはとてもいいなと思っていて、特に「内側」と「外側」の描き分けが好きです。そして、この未来そのものが決してないわけではない、むしろ一部はすでに達成してしまっている、というところがとても面白いと思います。


 作品中で積極的に社会批判をしたい、説教臭いことを言いたいと思うわけではないのですが、こういうふうに社会に関するテーマをさっと差し込むことができるのは、実力あってこそだなぁ、という風に思うのでした。

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