第71話

現状を確認しよう。



斬輝の杖の材料費で俺とセツナは5000万ゴールドの借金がある。



ドラゴンを倒したことで負債神の負債を減らせると思ったが、セツナの秘密の工房にあった台座(神晶石)をドラゴンもろともみじん切りにしてしまったために負債額が減る所か逆に増え、約三億ガルド(ドラゴン30匹退治と同等)の負債。



ルナさんは眠ってしまって起きるのがいつかわからない。長いと一年も眠り続けてしまうらしい。






(ルナさんが目覚めるまでなにをするかだよな。

討伐依頼を受けてレベルを上げながら返済をしていくか?

それでも大きくは返済出来ないよな〜)





そんなことを考えている親方が口を開く。



「お前達金稼ぎの目処がないなら、この町を出て西にあるミュールっていう都市で稼いでこい。コロシアムがあってかなり強い魔物と戦うことになるが、あのでかい魔物倒せるくらいなんだ、かなり稼げるはずだぜ」



「イヤです。見世物になりながら戦うなんて私の(女神としての)プライドが許しません」



俺より早く返答した負債神。

.....いやいまや俺も負債まみれだ。負債神なんて呼べないな。


ミラは絶対行かないと頑なに拒否をする。







「たしかミュールにはカジノもあるよね。そこで稼いで一気に借金を返すのも。私の天才的な魔法で数字を操っちゃえば一気に.....イッヒヒヒ」


セツナが悪そうな顔をしてニヤニヤしている。



カジノ.....その言葉が出た瞬間ミラの耳が大きくなる。



「じ、じつは私も行こうと思ってたんですよ。さあルナさんが起きる前にチャッといって稼いできましょう!」



この二人はカジノしか目に入ってない。

カジノなんて基本的には採取される確率のほうが高いんだぞ。

一人はギャンブルに負け続けて負債額が凄まじくなった女神、もう一人はイカサマする気満々の残念天才魔法使い。


(嫌な予感しかしないぞ!)




「お兄ちゃん、腕試しにコロシアムに出てみるのも面白そうじゃない?」


ユウヤもかなり乗り気だ。


(まあ一気に稼ぐ可能性があるなら行くべきかな)



う~ん。でもルナさんを置いていくのはなぁ。

そんなことを思っているとロイさんが工房で修行を続ける傍らルナさんの身の世話をしてくれるということだ。身の世話といってもメイドさんのような人を雇ってお願いするらしい。



そして親方さんが宝石のようなものをセツナに渡す。


「その石はある程度離れているところからでも連絡できる代物だ。貸してやるから持ってきな。

ミュールとこの町くらいなら連絡出来る。レンタル料はとらんが一つ1000万ゴールドだ。無くすなよ」



これはルナさんが目を覚ました時やトラブルがあったときにかなり便利だ!ありがたい。これ以上借金増やさないためにも絶対に後で返そう。


親方にお礼をいう。




こうして俺達四人はミュールに向かって旅をすることになった。

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