第72話

俺達は旅支度を始めることにした。


ミュールまでは徒歩で2日ほどということなので食料を買う。

ロイさんのようなサバイバル能力がないのが悔やまれる。

今回のように短い旅ならいいがなにがあるかわからないのが旅だ。今度教えて貰おう。



セツナとユウヤは初めての旅ということでかなりウキウキしていた。

今回の旅路は魔物もかなり出るということなので楽しい旅にはならなそうだけどな。



俺とミラも対して旅の経験がないので不安だが場数だっとロイさんに言われた。



火や水は魔法でどうにかなるので準備の買い出しは早く終わる。異世界魔法の便利なことで。





ロイさんが旅の路銀も合わせてといくらか包んでくれる。ミュールでも色々頭金が必要みたいだ。

お金が出来たら返しにこよう。












そんなこんなで次の日の朝になり、俺達は鍛冶町を出ていく。




ミュールまではここから見える山の頂上にあるようなので迷うことは無いだろう。




ザクザクッと皆で軽快に歩いていく。



どこで買ってきたのかミラはボリボリとお菓子のようなものを食べながら歩いている。食べながら歩くと舌噛むぞ。



すると突然痛そうに舌を出している。

(いま噛んだな)






ユウヤは俺の横でエア剣技のようなものをしている。光の剣自体には重さがないらしく、エア剣技だけでもイメージトレーニングが出来るらしい。

聞けば聞くほど便利そうで羨ましいな。






セツナは氷で出来たスケートボードのようなもので器用に道を進んでいく。あれも魔法だろうな。魔力の無駄遣いするなよっと言ったがほぼフルオートで進むらしくMP消費も少しらしい。

すごく楽しそうで、楽に進むということでミラが教えを受けていたが何度やっても上手く出来なかった。あの辺はセンスなのだろう。






そして前の方角に魔物が現れる。その瞬間セツナが一気に加速し魔物の足元を凍られる。


動けなくなった魔物に対してミラが風の魔法で切り刻み、そこへ背中に差した剣を一閃し魔物を一刀両断するユウヤ。

即席パーティーとは思えないほどの連携で魔物を一掃してしまった。




.....俺?ほら10秒で力尽きるし。雷鞭より魔法のほうが範囲広いし.....。泣いてなんてないんだからね!




そんなこんなで魔物の頻度が高くてもパーティーの強さが圧倒的すぎて旅自体はかなり楽にこなしていく。


野営の時は神経を使うと思ったがセツナの踏んだ瞬間に凍りつかせるというトラップ魔法のお陰で快適に安眠出来た。


セツナの応用魔法に驚き続けた旅路でもあった。



(俺の存在意義のためにも食事は作れるようになろう)


俺は真剣に思った。情けない.....。いや食事当番も大事だからね!




そしてあっという間にミュールに到着をした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る