第10話

村に着くともう夕方になっていた



まずはギルドにいき依頼の達成報告だ


『真です。薬草採取の依頼報告にきました』


薬草を受付机に出すと受付嬢はなにやらニッコリ笑って報酬に色をつけてくれた。

なにやら質のいい薬草を採取してきてくれたのでギルドとしての信頼も上がるそうだ。

世の中善行を行うといいことがあるもんだな

ルナ様に感謝感謝そして見習おう

ルナさんに報酬の山分けをしようとしたが冒険者の登録祝いだといわれ貰ってくれなかった




ルナさんとギルドを後にし最後に武器を買いたいから付いてきてほしいとお願いする

ルナさんも冒険者としてやっていくには必ず欲しいだろうといい付いてきてくれた



『おう。いらっしゃい』

朝挨拶をしたロイさんだ。相変わらずマッスルだな

まずは改めて持ち金の確認をする薬草の報酬で得た600ゴールドだ

あとは宿代で200ゴールドかかるということなので実質400ゴールドまでの武器だな

武器自体は杖、聖棍、ムチ、弓が選べるわけだが魔法が使えるわけではないので杖は却下だな。そして力があるわけでもないので聖棍もないな。

400ゴールド以内でムチか弓をお願いする

ロイさんが店内を歩きカウンターに弓とムチを並べる


『両方とも300ゴールドだ。入門用だがしょうがないよな?』


と言われた。こちらとしても問題ない。さあ中距離のムチか遠距離の弓か、、、。



せっかくなのでルナさんの意見も聞いてみようとルナさんを探してみるとお店の角でなにやら震えている。どうしたのだろうか?

そんなことを思っているとルナさんがロイさんに尋ねた


『ロイさんここにあるセール品と書かれた武器はおいくらでしょうか?』



ロイさんが不思議がりながらもなにやら正体不明の武器らしくどれも骨董品のようなものなのでとりあえず1000ゴールドで売っているそうだ。



するとルナさんがそこから弓を取り出しロイさんに渡す。するとロイさんが


『その弓か。それは矢がいらないかわりに1発か2発撃つと酔ってしまうんだよな。しかも威力もないしな』


なるほど。それは不良品だわな。そう思っていたがルナさんは10000ゴールドをロイさんに渡した。



なんの冗談かと思った俺とロイさんだったがルナさんが俺を見てニッコリ笑うとその弓を俺に渡してきた。


『この弓はあなたにとって、いえあなただけの神器です。冒険者祝いとして、この村に来てくれたお祝いとして改めて受け取ってください』



なんだろうか?ロイさんの話を聞く限りは不良品と思っていたがなにかあるのだろうか?そう思っているとルナさんが説明してくれた。



『この世界では素早さはとても上がりにくいステータスです。レベル90代の最高峰の冒険者でさえ100にも満たないです』


ほう。素早さのチートステータスは凄いのかそれは素直に嬉しいなでもそれは武器と関係なくないか?と思ったがさらに言葉は続く


『私は鑑定スキルでその弓を鑑定したのですがその弓は攻撃力10と並でしかないのですが自分の素早さから相手の素早さを引いた分が攻撃力に乗算され、矢はMPを1矢につき10消費しますがさらにMPを込めることでさらに1矢の威力が乗算されるそうです』


それはとんでもないスキルだな。チートじゃん。でも素早さ高い人がMP使えばみんな強そうですねと尋ねてみた


するとロイさんが『弓っていうのは戦士のやつが使用するもんだ。他職では持てるには持てるが矢が飛ばないんだよ。ましてこれは矢すら出ない。それに戦士はみんなMPがほぼないうえに素早くもないからな』


なるほど。これは神様のおかげなのか?いやルナ様という女神様のおかげだな。しかしタダでこんな凄い武器を貰うわけにもいかないな


『ルナさん、このような大層なモノをいただいても私には払うお金もなにもないのですがなにか力になれることはないでしょうか?』



するとルナさんが『お祝いです。これも神のお導きです』とにこやかに返された。





俺はこの人が何かあった際は必ず助けになろうと心に誓った。






そうして予想外の武器を手に入れルナさんとロイさんと別れ宿に泊まりにいったのだった。

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