パンが香るような雰囲気とか、冷えた空気感とか、BGMの音とか、さりげなく五感を刺激する文章が、素敵です。おすすめです。
若い2人と、それに付き添う中年女性の話です。視点がいいですね!まさに年の差を感じさせる、キャラクターづくりに目を惹きました。そして一番の魅力は素性を見せない・華の寡黙。22歳と56歳の対比で、彼女を若く子供扱いしてしまいますが、彼女にもきちんと思いがあり、それを裏付けするエピソードがよかったです!最後も、読者に想像を残す形になり、いい余韻を残してくれました。次の話にも期待して、星3つ送らせて頂きます。
読後感がとても良かったです。園田くん、素敵です。主人公や読者が心配しなくても、やる時はやる男だった園田くん。2人の未来がどうなるかは分かりませんが、この2人なら幸せになれることでしょう。また、こんな作品が読みたいです。
多くを語らない華が抱えていたのは、自傷行為。黙々と作業をする園田は、そんな華の苦悩に気づき。美智子は、中年女性にありがちな下世話な感情を内面に抱え、二人から話を引き出そうとする。その人その人のキャラがしっかり出来上がっているので、とてもイメージし易かったです。追いかけた園田は、なんて言葉をかけたのかな。表面の不器用さとは裏腹に、寡黙な華の気持ちを引き出したのかも・・・。