第34話
「...」
「...」
気まずい。
とても、気まずい。
・
・
・
会場に近づくにつれて増えていく人の波をなんとか通り抜けながら待ち合わせ場所に到着した。
桃香は、「はぁー!やっとついた!お腹すいたねー!!」とお腹をさすっている。
お前さっきがっつり食べてたじゃん、とツッコミを入れようとしたが、目の前にいる人物のせいでそれどころではなかった。
音符だ。
音符がいる。
数日前にも、会ったのだがとても長い期間会っていなかったようなそんな気持ちになった。
嬉しい気持ちと、もやもやした気持ち。
頭の中がぐちゃぐちゃになって、なんて声をかければいいのかわからない。
桃香と忍は、お互いの服装について盛り上がっている。
あんな風に気楽に話せたら...、と少し2人が羨ましくなった。
音符の目の前に来たはいいが、音符も自分も、相手から目をそらしなんとも言えない顔をしている。
そんな空気の中、桃香が、
「よっし!!揃ったね!さっそく行こ!何食べる!?何食べる??!」
と、忍の手を引きながら移動し始めた。
えっ、桃香こっち見えてんの??
空気読めなさすぎてるけど、まぁナイス!!
「あ〜、...行こっか...」
「う、うん...」
音符が少し後ろを歩く。
前は隣に来ていたのに...、と少し悲しい気持ちになった。
そんなあたしたちを視界の隅に置きつつ、桃香と忍はたこ焼きやらわたがしやらを買って仲良く食べていた。
この2人って鋭いのか鈍感なのかほんとわかんない。
祝福してよ!世界様! 暦 魅月 @koyomitsu
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