第23話
そうして場所が変わり、楽斗の部屋。
楽斗と音符は、共にすっかり寝不足で、下まぶたにはクマが出来ていた。
「はよ、おんぷ.....うわ、ぶっさ」
「うるさいわたしは寝る」
「ちょ、おい、機嫌悪いなぁ」
「朝は寝るの....誰がなんと言おうとわたしは寝るの」
「朝ごはん何がいい?」
「えっとねぇ〜〜!う〜〜とね〜〜!!」
「なんで急にテンション上がんの」
「和食」
「は?」
「和食」
「あ!!おい!!寝んなよ!!....ったく......はぁ、作るか.....」
カーテンを開けると、外から日差しが差し込んでくる。
窓を開けると、涼しい風が吹いた。
「今何時だ?.....まだ5時半じゃねぇか」
あまり眠れなかった割に早起きまでしては何だか神様に寝るなと言われているように感じる。
「はぁ、まぁ、いい時間なのか...?」
音符にタオルケットを、掛け直すと、キッチンに向かう。
昨夜は何も準備せずにいきなり告白大会になってしまったので、まずは米を磨ぐ。
楽斗の家は無洗米ではないので、しっかりと磨ぐ。
そしてその米を炊飯器にセットし、スイッチを押す。
これで、ご飯は大丈夫。便利な世の中だな。
次に、冷蔵庫からちょうど使いかけの鮭があったので、二等分にして焼く。
タイマーをセットし、鍋の中に水を入れ、沸騰させる。
豆腐、わかめ、あと油揚げをいれて味噌を混ぜて味噌汁を作る。
「あと卵焼き....」
卵焼きを作ると、ごはんが炊けたので、お茶碗によそると、鮭も上手い具合に焼けたので、上に少しバターをのせて醤油をかける。
「あとは、味噌汁と卵焼きをおいて.....よし、完成」
我ながら手際よく出来たと思う。
途中でお腹減りすぎて死ぬかと思ったけど、なんとか生きてる。
「なんか.....新婚.....ぽい?」
そんな事を考えながら部屋に戻ると、タオルケットを巻いたイモムシこと音符が床に伸びていたので、いたずら心が働きくすぐったら、思いの外拷問じみて怒られた。
「もぐもぐ!!あのね!!おいしい!!けど!!むぐむぐ!!おかわり!!あれはね!!むぐ!!やっちゃだめもぐもぐ!!」
「食うか喋るかどっちかにしてくれ、うん、申し訳ないと思ってる。はい、ごはん」
「もぐもぐ!!!!」
「食べる方にしたんだな」
音符のいつも通りの感じに、楽斗は少し安心した。
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