第14話 ※注意です

「え?」

「ついでに揉みたい」

「まってまって?がくとはむっつりなの?いきなりどうしたの?わたしついていけないよ???」

音符の顔が困惑している。

楽斗も自分が今おかしなことを言っているのは充分分かっていた。

しかし、だ。

何故だか、急に音符の胸を触りたくなった。

どこかの雑誌に、好きな人にはスキンシップを多くしてしまう、みたいな記事があったな...と頭の片隅で考える。

「女同士なんだから、いいだろ」

「が、がくとは、か、か、かっこいいからだめなの...!!」

ぎゅ、と胸を手で隠す音符。

少し後ろに下がった音符に、ズイ、と近づく。

「ねぇ、いいじゃん。みんなやってるよ」

「こ、こういうのはね!その、だめなの!がくとはだめなの!だめ!」

「ひどいな、仲間外れかよ」

「ち、ちがうけど....でも...」

「なに」

「は、恥ずかしい....よ....」

可愛い、なんだかキュン?とした。

音符になんで今まで彼氏ができなかったのか不思議になってきた。いや、こいつ少し頭緩いからなぁ。

「じゃあ、目瞑って」

「さ、触るの...?」

「友達じゃん」

我ながら酷い攻め方だと思う。

こんな事したら、もうあたしは音符の事ただの友達として見れない。

でも、自分に勝てなかった。

音符はゆっくり目を瞑って、胸の前の手を退けた。

クーラーをつけているのに、体が熱い。

ゆっくりと、音符の胸に手を置く。

びく、と体が震えた。

そのまま、弱く力を入れて揉むと、自分ではあまり感じないやわらかい、マシュマロよりかは重みのある...そんな感じの弾力だ。

音符の顔が真っ赤に染まっている。

「ね、どんな感じ?」

「うぅ....はずかしい....変な感じ....」

もう離してよぉ〜、と弱々しい声が聞こえる。

本当はずっと触って居たかったが、これ以上はなんだか音符が泣きそうな気がしたので、名残惜しいが、手を退けた。

「もう...がくとむっつり....」

「それ言ったら女なんか皆むっつりだろ」

「そう...なのかな...?」

「すごい心配になるんだけど、音符見てると...」


気付いた。

あたし、音符のこと、多分好き...だと思う。

今まで嫌いだったあの胸の感触が、嫌じゃなかった。興奮した。

もっと、って思った。

やばい......

あたし、レズなのかな......

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