異世界生活も楽じゃない
人生の旅人
第1話 死後の世界
『俺の名前は佐藤裕、日本でもっとも多い苗字のどこにでも居る普通の高校生だった、今は違う、俺は死ぬ、現在進行形で首をつりをしている、何故って?そりゃあなぁ、人生に疲れて、疲れ果てて、家族にも見放され、友達にも裏切られ、他人の罪の濡れ衣を着せられ、あと余命が1年しかないって言われて……、なぁ、わかるか?みんなよく言うだろ、『疲れた、死ぬ』『友達と喧嘩した死にたい』『振られた死にたい』『人生終わった死ぬ』とかさ、大して不幸なんて経験してないくせに人生終わったとかさ、喧嘩ごときで死ぬとかさ、振られたから死ぬとかさ、実際死んでみろよ、てか死ねよ、みんなみんな死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね俺を裏切ったカス共、見放したクソ両親、ああ、やっとこの世界から……消えれる』
俺は死ぬ瞬間までそんなことを考えていた。
そして意識が途絶えた……。
俺は言葉では表せないなんとも言えない空間に立っていた。
「ん……、ここは、どこだ?」
俺の声が空間に響く、だが誰も俺の問には答えてくれない。
ただひとりを除いては、俺の目の前に女性が居る。女性は答える。
「ここは神の寝室です、ここに呼ばれた理由はわかりますね?貴方は罪を犯しました、しかも大罪と言われる自殺です。」
見た目は20代後半のOL、おっとり目の優しそうなお姉さんが長い黒髪を震わせながら顔を真っ赤に何かを堪えている。
「……」
私は何も答えない、すると彼女はしびれを切らしたかのように言う、
「なんでこんな時間に自殺してんの!?私の睡眠時間が減るんですけど!?」
現在時刻午前3時、そこまで遅い時間でもないだろう。
俺は面とくらってしまい、
「あ、えっと……うっす、すいませんした」
俺は謝罪をした、彼女は俺の謝罪を見ると、
「謝って済むなら警察と私達はいらないの!わかるっ!?」
「は、はい、わかりますわかります!すいません!」
俺はひたすら謝り続ける、土下座で。
俺のそんな様子を見ると彼女は呆れたのように、許してくれた。
彼女は俺に頼み事があると言った。
「ちょっとアンタにある異世界に行ってほしいんだけどさ、行ってくれるかい?あ、拒否権はなしね、ふぁぁ……あたし眠いし」
「異世界転生だと……、よくある異世界転生ってマジであるのかよ」
俺は質問する。
彼女は答える。
「ああ、あるとも、それも魔王討伐とかしなくていいただの異世界だよ?どうだい?今ならもれなくあっちで使えるチートもあげちゃうよ?」
チートか、面白そうだ……、しかも魔王倒さなくていいとか最高だな。
「質問だがよ、あっちで俺は何をすればいいんだ?」
俺は気になっていたことを聞く。
「することかい?そうだねぇ、特に何も無いけど強いて言うなら、人生のやり直しかな?」
彼女は人生のやり直しと言った……、やり直しか……いいね、最高だ。
俺の考えを察したのか彼女は、
「その表情は断る人間の顔じゃないね、ってことは、やってくれるかな?」
再度質問をする、俺は彼女の問に答える。
「ああ、やってやる……人生をやり直してやるよ!」
俺の答えを聞くと、彼女は嬉しそうに笑を作る。
「ああ、よろしく頼むよ」
俺はここから人生をやり直す!
異世界生活も楽じゃない 人生の旅人 @Hirohiro0315
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