どエルフさん ~仲間殺しの罪を背負って騎士団を辞めた元騎士、奴隷狩りに襲われていたエロい女エルフを助ける。エッチなエルフたちとはじめるきままなハーレム冒険者生活。~
第1323話 どキングエルフさんとオラにエネルギーを……!
第1323話 どキングエルフさんとオラにエネルギーを……!
【前回のあらすじ】
「いるさ!! ここに一人な!!」
落下してくる【MM砲】を撃墜するべく立ち上がったキングエルフ。
彼の砲身が南の大地の天へと向かう。
「この世界を創りたもうし人の神よ。ここに神々の時代は終り、人の時代が訪れようとしている」
「すごい!! 兄貴がまともなことを言っている!!」
「人にこの世界を譲る時が来たのだ!! 神堕の逆撃つ雷砲を受けよ――【ELFの銃】&【サイコ銃】のダブルシューティングだ!!」
その時、一陣の風が吹いた。
堂々と天に向かって銃を向ける男の股間から、白い褌を颯爽と奪って通り過ぎた。
このタイミングで空気のよめないエッチな風が吹く。
「うぉい!! ○ンチラしてる場合か!!」
クライマックス前の大トンチキ。
キングエルフ、自慢の白褌を失う。
半裸がデフォルトの男といっても、流石に股の間は恥ずかしい。内股になって隠す彼を、部下の仮面の騎士が身体を張ってフォローする。続いて、なぜかいきなり乳首が気になりだした彼を、少年勇者も同じようにフォローする。
「このポーズってなんかあれだな。ガンダム○Tみたいだな」
「「今はもうそのネタ擦るのはいいでしょ!!」」
部下二人に叱責されながらも再び【MM砲】を睨むキングエルフ。
はたして、彼の一撃は破壊神の試練を打ち砕くことができるのか――。
◇ ◇ ◇ ◇
「もう一度言おう!! 神よ!! ついに地にその身を堕とす日が来たのだ!! 喰らうがいい――【ELFの銃】&【サイコ銃】のダブルシューティングだ!!」
ぽすん!
二つの銃口から気の抜けた音がする。
同時に「ビービー!」とかまびすしい電子音が鳴る。
なんだいったいと、拍子抜けするキングエルフと女エルフ一行。
『『エネルギー不足です。速やかにエネルギーをチャージしてください』』
「エネルギー不足て……」
『『仕方ないでしょ。千年単位で使われなかった神造遺物なんだから』』
天を撃つ二つの銃はエネルギーが不足していた。
そりゃそうだ。千年も放置された兵器にエネルギーなんて残っているはずがない。むしろ、バッテリーがへたっている可能性まであった。
最低限、使用警告が出るだけまだマシというもの――。
「どうでもいいけどはよせんかい!! もうすぐそこまで【MM砲】は迫ってきているのよ!!」
「こんなタイミングで何をバカなことをやっているんだエルフキング!!」
女エルフと男騎士がキングエルフを責める。
「お前達に言われたくない!!」
いつもアホなことばかりして、ちっとも話を進めない二人にキングエルフがブーメランを投げつける。こればかりは不毛な言い争いだった。
とにかく、エネルギーを集めなければ。
キングエルフの顔がまたちょっとだけ濃くなる――。
「みんな、オラにエネルギーをわけてくれ!!」
「「「「「「一人称が違うだろ!!」」」」」」
最後の最後までドラゴン○ールネタだった。
『いえ、あながち間違いではありません。【ELFの銃】も【サイコ銃】も、【男の浪漫】をエネルギーに変えて撃ち出す精神感応兵器です』
『キングエルフだけでは補えない、人類全ての【男の浪漫】を集めれば――あの巨大な落ちる塔も破壊できるはず』
「……よし!! いつもの嫌な予感しかしない!!」
男の浪漫とか益荒男とか、そういうワードで嫌な目にしかあったことのない女エルフにはよく分かった。ここからどういう力が分けられるのか嫌でも察した。
というかもう既に隣のアホが浪漫を分け与えていた。
男騎士の頭からぼんやりとしたもやが立ちのぼる――。
『ウフフ、ほらぁ、ティトくんこっちよ。ママのおっぱいに甘えなさい』
『バブー、オッギャオッギャ』
『ダメよ。ティトくんは、みんなの赤ちゃんなんだから』
『このエルフの村に貴重な男の子。大切に育ててあげなくちゃ』
『素晴らしい。これが桃源郷、おいでよママエルフの村!!』
「はい、最悪の男の浪漫いただきました」
男の浪漫というかただの妄想。
しかも人様にお見せできない痛々しい感じの奴。
そんなものを吸って【ELFの銃】と【サイコ銃】が眩く輝く。
どうやら女エルフの直感に間違いはなさそうだった――。
『男の浪漫、チャージ率50%!!』
「高いな!!」
『濃厚なエルフママへの憧れ!! これは高得点ですよ!!』
「なによ得点って……」
そうこうしているうちに、世界中からエネルギー(男の妄想)が飛んでくる。
『エルフのパン○ィ(売り物)おくれー!!!!』
「分かりやすく店主!!」
『ロリっ娘ケモ耳娘と辺境でスローライフしたい!! エッチなの控えめな奴!! エッチなの控えめだけれど、一緒におねんねしたりする奴!!』
「久しぶりだけれどブレないロリコン野郎だなビクター!!」
『ふっ、俺の名前を聞いてどうする。やめろよ、名乗るほどたいした名じゃない』
「はい、ヨシヲね。こいつのは得点低そうね」
『ちくしょう、せっかくエルフにバ美肉できたと思ったのに。元気系わっしょいエルフとか最高だったのに』
『アタシだって、エルフに生まれたかったわよ!! いいじゃない、電子の世界でくらい妖精気分を味わっても!!』
『アバター姿もかわいいダスか。ありがとうダス。これからもみなさんの期待に応えられるよう、頑張っていくので応援よろしくおねげえします』
「アホ三英雄まで来るのかこれ……」
『そういえば、カツラギに息子を預けているが大丈夫だろうか。パーティーメンバーも二人とも女の子だし。もしかして、気が付いたらお爺ちゃんになっていたり。いやそれだけならまだしも、二人まとめて――いや、まさかカツラギも!?』
「妄想の方向が一人だけ違うんよ」
この物語に出て来た男達の熱い【妄想】を吸って今二つの銃が碧色の光を放つ。
『【ELFの銃】充電完了!!』
『【サイコ銃】充電完了!!』
「今度こそ、これで終わりだ――ダブルシューティング!!」
キングエルフが引き金を引けばその銃口から緑の光がほとばしる。二つの強力なエネルギーは、いつの間にか絡まり合い渦を巻いたかとと思うとらせん状になって空をどこまでも昇っていく。
大気圏突入の摩擦熱により赤熱する【MM砲】。
その先端を緑の光が貫いた瞬間――激しい閃光が花火のように空に瞬いた。
落下する【MM砲】の速度が少しだけ遅くなる。やがて、落下している方とは逆の先端からキングエルフが放った緑のエネルギー砲が飛び出す。
同時に、内部機関に引火したのだろう【MM砲】が膨れ上がるように爆発した。
降り注ぐ幾千もの【マジックミラー】。
そして天を貫く雄々しい緑の光の柱。
「……終ったの?」
「……あぁ、俺たち人類の勝利だ」
ここに人類の未来をかけた壮絶な戦いは幕を閉じた。
男騎士達は『破壊神』と『知恵の神』の陰謀を打ち砕いたのだった。
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