第1318話 どエルフさんとピッチピッチ(物理)

【作者の近況】


 お仕事コンに出す小説の初稿が終ったぞ!!

 お仕事コンに出す小説の初稿を書ききったぞ!!

 やった、俺は自由だ!!


「うぉい、真面目にやらんかい!!」


 真面目にやってるから書いてるんじゃないか。分かっていないなどエルフさん。

 という訳で、今週もお疲れモード。ちょい原稿疲れが残った状態です。

 筆が粗いぞー。粗いぞー。勘弁してくれよなー。


【あらためて、前回のあらすじ】


 女エルフについに【性闘衣】を手に入れる。

 しかしそれは、彼のパートナーの性癖によりずぶずぶに魔改造された、センシティブMAXな衣装だった。こんな衣装を、ムッチムッチに成長した女エルフが着てしまって大丈夫なのか。色々な所がはみ出てしまうんじゃないのか。


 ちょいきつめのスーツを着た恵体の女の子にエロスを感じるのはここ最近のトレンド。ぽっちゃりではない。断じてぽっちゃりではない。ちょっと肉が多いだけ。


「……キマっちまってんなぁ、この作者ってばよぉ」


 伊達にムチムチの奥さんのタイムリープするラノベ小説を出してはおりません。

 という所で、ヤバいセンシティブな衣装を手に入れた女エルフ。はたして、彼女は【性闘衣】を装着して、最後の戦いに挑むことができるのか。


 どエルフさんVSデラえもん。

 今週で、最終決着です――。


◇ ◇ ◇ ◇


「……本当にこれ、着なくちゃいけないのかしら?」


 布面積の少ない【性闘衣】を摘まみ上げて、女エルフが泣きそうな顔をする。

 意見を求められたELF娘はさっと視線を逸らした。尋ねられても困る。しかし、作ったのは彼女だ。女エルフの責めるような視線に、ELF娘は黙って耐えた。


『何をやってるの○ンジくん!! 良いから早く、その【性闘衣】を着なさい!!』


「けど、○サトさん。無理ですよ、こんなピッチピッチのスーツ」


『肉がはみ出すのがなんぼのもんじゃい!! なぁに、それくらいのほうがかえってヒロインとして凄みが出るというもの!!』


「けど、いないじゃないですかこんなムチムチのヒロイン!!」


『お前はモ○ダンの綾波を知らんのか!!』


「おい、やめろ。古の同人文化を出してくるな。異世界知識で殴るな」


【知識 モ○ダンの綾波: さよなら全てのエヴァンゲリ○ン、さよならも○波。まさかあんな大々的に規制がかかるだなんて。そして、誰もが知っている二次創作が、もう見られなくなるなんて思いもしなかった。世の中、分からないものですね。しかしそんな儚さ、一期一会もまた同人活動の醍醐味……(分かったような口を利く)】


「そんなん言うたら、新劇の○スカの方がやばかったじゃろがい!! 生意気なツインテールツンデレロリが、あんなんなったらアイディンティティ崩壊だわ!!」


『仕方ないでしょ○バーが築いた歴史を越えて終らすためには、あぁいう『ショック療法』が必要だったのよ』


「ショック死するわ!!」


『とにかく!! ムチムチの身体でピッチピッチのスーツを着ることを恐れるな!! モーラよ、それもまたお前の大事な側面なのだ!! 貧しき身体のアラサーのウワキツと、恵まれた身体のアラサーのウワキツ!! その表裏を等しく納めたとき――お前は真のウワキツの使徒として覚醒するだろう!!』


「覚醒したくなんかないわい!!」


『いいから、黙って、着ろって言ってんだろ、オラァ――ッ!!』


 ○サトさんが遠隔操作したのだろうか、ジャイアントエルフの巨体がぐらりと揺れる。その拍子に、女エルフの手にした【性闘衣】が宙を舞った。

 まるでその布は、それ自身が意思を持つように女エルフの身体にまとわりつく。

 

 いつもの旅装の上に【性闘衣】が覆い被さったと思った次の瞬間、女エルフの身体は光に包まれた。


 説明など不要だろうが――変身バンクだ!!


「あぁっ、着替えたくないのに勝手に衣装が!!」


『よーし!! これでオッケー!! ついにジャイアントエルフ完全体よ!!』


 豊満なデストロイモードになったエルフの胸を覆うヘソ出しノースリーブの上着。

 むっちむっちの太ももを隠しきれない、どころか半分くらいお尻が出てしまう、超ミニのスカート。

 丸出しのお腹の肌色成分を申し訳程度に隠すインナー。

 そして逆にムチッとした脚のラインを露わにさせるニーソックス。


 ジャケットも帽子ももはや無意味。


 センシティブ収益化剥奪待ったなし。

 隠しきれないヤバさを秘めた存在がそこに誕生した。


 そしてはみ出していた。

 色んな所からはみ出していた。


 ノースリーブの脇のみっちり肉厚感。

 スカートから伸びる太ももとお尻の境界のたるみっぷり。

 インナーでも隠しきれないお腹のぷよぷよ。スカートの境に余る肉の感じ。

 なにより、小さめのニーソックスによりできあがった段差。


「……うぅっ、やだぁ。色んな所から肉がはみ出てる」


「いいわよ○ンジくん!! 今の貴方は最高にセンシティブよ!! パロ元を越えるようなエッチな仕上がりよ!! もはやもぐ○リまである!!」


「同人活動やってる人にまでネタにするようなのはやめなさいよ!!」


「それくらいエッチだって言ってんの!! とにかく、これで勝ったわ!! さぁ、ジャイアントエルフ!! モーラさんの痴態をフィードバックしなさい!!」


 すっかり忘れていたが、女エルフが駆るジャイアントエルフは、女エルフのフィジカルをトレースする。どうやら【性闘衣】を装着したデータも、フィードバックされるらしい。


 まぁ、元から全裸だしいいか。

 軽く考えていた女エルフだったが――。


「今まで温存していた拘束具を解放するわ!! これで、○ンジくんの【性闘衣】状態を完全再現するわよ!!」


「ちょっと待って、この衣装もジャイアントエルフが着るってこと!!」


「そういうことよ!! さぁ、全世界のみなさんにご覧になっていただきなさい――ムチムチエルフのピッチピッチマイクロスーツ着装姿を!!」


「いっ、いやっ!! ちょっとやめてっ!!」


 すぐに止めようとしたが時既に遅し。

 ジャイアントエルフの身体が、先ほどの女エルフのように変身バンクの光に包まれたかと思うと、すぐにその姿はコクピットの女エルフに同期した。


 神が造りし【性闘衣】をまとった姿に――。


「「「……うわぁ、キツい」」」


 三バカ博士が、その後継をカメラで眺めて呟く。


「「……うわ、キツ」」


 仮面の騎士と少年勇者が、イーグル市市役所前から眺めて呟く。


『えぇっ!? ちょっと、それは流石にキツくないですか、お義姉さま!!』


 ジャイアントエルフ二号を駆る新女王も叫ぶ。


 そして――。


「見事な着こなし。あっぱれだぞフェラリア!!」


「流石だなどエルフさん、さすがだ!!」


 攻カク○頭隊の基地内の男騎士とキングエルフが力強く頷いた。


「嫌だぁ!! どうして私がこんな目に!! いっそ殺してくれぇ!!」


 そしてまた、女エルフの叫びが南の大陸の空に響く。

 せっかくナイスバディになったというのにそれすらフリ。


 やっぱり彼女は弄られる運命にあるのだった。

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