第1311話 どデラえもんとコツカケ
【前回のあらすじ】
デラえもんにもコアはあるんだよな……。
「ない。ないない。ないから」
そう思っていたのに、実はあったよ真っ赤な丸いコア。
ぶらり臀部から垂れるのは確かに元ネタ的に弱点なON/OFFスイッチ。引っ張れば活動停止してしまうという弱点だった。
実際、アクション要素の多い大長編では、この尻尾を引っ張られたばっかりに窮地に陥ったことが何度もある――はず(うろおぼえ)。
とにかく、とんでもない弱点が発覚してしまったデラえもん。
もしやこのまま倒せるのではないか。そんな期待と共に、女エルフの養母が宿ったエルフ型決戦兵器が猛攻撃を仕掛ける。
はたして人類はELFに勝つことができるのか。
叡智の神が残した負の遺産を清算することができるのか。
「いやけど、今日のタイトルから不穏な空気しか感じないんだけれど」
あと、モーラさんのお養母さんが呼び出したアイテムとかね。
「やめて」
絶対に攻撃を躱す【
絶対に穴を穿つ【性槍 ○ン○ヌスの槍】。
矛盾を抱えた二つの兵器がぶつかり合うときいったい何が起こるのか。
性紀の頂上決戦の決着やいかに――。
「もうほんと、KAD○KAWAと○学館に怒られろこいつ……」
☆――すみません! 脳味噌がちょっと働いていません!
◇ ◇ ◇ ◇
【性槍 ○ン○ヌスの槍: 出たら激アツの演出――だったはずなのに、今じゃステップアップ演出の中でも割とありふれたものになった感じのある槍。こんなポンポン出されたんじゃありがたみなんてありゃしませんよ。え、パチンコネタはもういい。またまた、ご冗談を……】
にらみ合うジャイアントエルフとデラえもん。
どちらが先に仕掛けるか。先を読み合うにらみ合いが続く。
動いたのはジャイアントエルフ。彼女は性槍を大きく振りかぶると――。
『○ねや、オルゥアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!』
絶叫と共にそれを突き出した。
中段、胸元を狙った一撃。
あえてそこに納まるように狙ったのかそれともたまたまか。なんにしても、しめたものだという笑みを浮かべてデラえもんが○ン○ヌスの槍を待ち構える。
繰り出される、絶対防御防壁――
ひらりと、その槍の軌道が逸れると思われたその時――。
『な、なにぃっ!! 槍の先が大きく二つに分かれただと!!』
ぎゅんと槍の柄が回転したかと思えば、二叉の槍の先が大きく開いてデラえもんの身体を左右から襲いかかった。なんということ――それは槍と見せかけて刺股。
捕縛用の武器に絡め取られて身動きの取れなくなったデラえもん。
『ほーっほっほ!! 兵は詭道なり!! 槍と言われてまんまと騙されたわね!! 私の狙いは最初からこっちよ!!』
『くそっ!! まんまとハメられてしまった――!!』
『さぁ、そのお尻についたコアを破壊させていただこうかしらね!! 大丈夫よ、心配しなくても苦しまないよう、一撃で粉々に粉砕してあげるわ!!』
刺股によって近くのビルを背に押さえ込まれたデラえもん。ひらりと躱そうにも、捕まってしまってはもうどうにもならない。
そんな彼の丸いお尻に、ジャイアントエルフの魔手が伸びる。
『さぁ、そのかわいいコアを見せてもらいましょうかねぇ……ぐへへへ』
『「なんか変態チックだ」』
哀れここまでかデラえもん。尻に無防備にコア(ON/OFFスイッチ)を出しっぱなしにしていたのが運の尽きか。
彼の丸々とした尻を掴むとジャイアントエルフが覗き込んだ。
しかし――。
「あれ? ○サトさん、さっきまであったコアがなくなってますけど?」
『……おかしいわね、さっきまで確かにコアが露出していたのに』
そこにはせっかく見つけたはずのデラえもんのコアがなかった。
コアはいったいどこに消えてしまったのか?
はてと首をかしげる女エルフと海母神。
『なっ!! まさか貴方!! コアを移動させたというの!!』
一方、ジャイアントエルフに憑依している女エルフの養母が何かを察したように叫び声を上げる。コアを移動させるとは。そんな器用なことができるのか。
というか、そもそも移動させるような場所あっただろうか――。
あった。
目の前に確かにコアを隠すのにはちょうどよさそうなものがあった。
なぜその位置に付いているのかは分からないが、尻の裏に小さな噴射口があったのだ。その中に露出していたコアがぶら下がるワイヤーがぴろりと伸びていた。
そう、ぴろりと――。
『「なんちゅーところに隠しとるんだ!!」』
『くっ、まさか【コツカケ】を使うとは!! 卑怯よデラえもん!!』
『卑怯じゃない!! 弱点があったら隠す、これは格闘技の基本だ!!』
【技術 コツカケ: 古武術で玉を体内(股関節の間)に押し込んで弱点をなくす方法。ゴールドの玉を隠すのもコツカケなら、ぶら下がっているコアを隠すのもコツカケだ。大丈夫、古武術だから問題ない】
デラえもんは尻にある穴にコアを収納して弱点を克服した。
なんという機転。そして、なんという絵面。こんなパロディ見たくはなかった。
けれど、作者が思いついてしまったのだから仕方がなかった。
『くっくっくっ……、趣味で読んでいるサキュバス系NTR同人の知識が役に立ったわ。悪魔の尻尾を隠すのにここを使うのはその手の薄い本の鉄板』
『「どうしよう、あのロボットどんどん○学館に喧嘩を売っていくわ!!」』
『コアの露出がなくなった僕に弱点はない!! さぁ、ここからが本当の勝負だ!! かかってこいジャイアントエルフ!!』
『えぇい、こざかしいマネを――!! いいわ、それならその○の穴から、コアを無理矢理引きずり出してひいひい言わせてやる!!』
『「排気口だから!! ○の穴じゃないから!! ちゃんとそこはセンシティブ守って!!」』
コアを体内に吸収し、完全防御態勢となったデラえもん。
そんなデラえもんのこざかしい悪あがきに絶叫するジャイアントエルフ。
再びがっぷり組み合ってにらみ合う巨大ロボ(一方は巨大なエルフ)二つ。
「いい加減、そろそろこのトンチキバトル描写も飽きて来たわね」
『そうですね。スパッと終らせて欲しい所ですよね』
まだまだ激闘は続く――!!
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