第1305話 どデラえもんさんと天地創造

【前回のあらすじ】


 女エルフとELF娘。

 無事にジャイアントエルフにエントリー完了。


 ついに最終決戦。密林熱帯都市ア・マゾ・ンへと出撃する。

 しかし――。


「やっ、ちょっ!! なにこれ、全然動かし方がわからない!!」


「マスター!! 作戦開始したのになにやってるんですか!!」


「ぶっつけ本番で動かせる方がおかしいでしょうよ……って、うわっ、地面にぶつかる!!」


 ここで忠実にパロ元をなぞる。

 初号機ではじめて出撃したシン○くんよろしく、かっこつけて搭乗したのはいいけれどもまともにロボットを動かせないという状況に陥ってしまった。

 そんな彼女達に、無慈悲な丸いおきあがりこぼしが近づく。


『やってくれたなモーラさん。まさか君たちが我々の陰謀に気がつき、ここまで追い込むとは予想外だよ』


「デラえもん、アンタの願いはいったいなに!? 今の人類を作り出しておきながら、未だにELFを使って実験を繰り返し――何をしようとしているの!!」


『決まっているだろう……大長編○ラえもんの鉄板ネタ【世界創造】さ!!』


 明かされる真実。

 それと共に、ジャイアントエルフの腹を雷撃が貫く。

 はたして女エルフは無事なのか。ラスボス、デラえもんとどう戦うのか。


 第九部 絶対発○戦線 熱帯密林都市ア・マゾ・ン


 いよいよクライマックスです。


「けど、この更新。金曜日なんだよな」


「次回に続くで終るんでしょうね」


 メタネタそろそろやめてもろて。(こうでもしないともう話が転がらない)


◇ ◇ ◇ ◇


『そもそも、アリスト・F・テレスさまは、まだ完璧な人類を作り出すという計画を止めていないんだ。人類をこの南の大陸から逃がしたのも、アリスト・F・テレスさまの人類創造計画の一端なんだ』


「……なんですって?」


『我が主は南の大陸を脱出した人類たちが育ちきった所で、自らが作り上げた偽の人類――ELFたちと争わせるつもりだった。そして、残った方をより完璧な人類とするつもりだったのさ。そう、造物主達を打倒してこそ、生命は真に完成する。なのに……破壊神たち他の神々は、アリスト・F・テレスさまの崇高な実験を途中でやめさせたんだ!!』


 南の大陸で繰り広げられていた人類創造の壮大な実験。

 それは、アリスト・F・テレスが逃がした人類が、中央大陸で繁栄したことにより終わりを迎えた。予想外の展開ではあったが、神々の思惑を外れてたくましく育った人類達を、この世界のメインプレイヤーとみとめて、七つの柱の神々はそれ以上の人類創造の計画を凍結した。


 しかし、知恵の神アリスト・F・テレスの本心は違った。

 彼の計画はまだ道半ば――。


『私はアリスト・F・テレスさまの使徒として、彼が目指した真なる人類の創造を完遂してみせる。そのために、人類の長たる勇者の到来を待っていたのだ』


「そうか、エロスたちが前に辿りついたときに勧誘したのもそういう」


『今の人類の命運を握る勇者。人類の希望。彼が我々、南の大陸のELFたちが打倒できるかどうか。そう、最初からこれはそのための試練。千年の時をかけて準備された、人類に課せられた最終試験という訳です』


「……ほんと、面倒くさいわね知恵の神。破壊神みたいに、黙って見守ることができないのかしら」


『興味・関心・思考・推察――それこそが、生命体をよりよく進化させる!! そして、そのために必要なのはその身に余る大いなる試練!! さぁ、アリスト・F・テレスさまが作りたもうた人類よ!! 貴方たちが、真なる人類としてふさわしいかどうか、私が判断してあげましょう――』


 もっとも、貴方はエルフのようですがねと吐き捨てて、またデラえもんが口の中から破壊光線を発射する。


 青白い稲妻に撃ち抜かれて震えるジャイアントエルフの身体。


『損傷率25%!! 神経系が麻痺!! コントロール不能!!』


『シンジくん!!』


「くっそ、好き放題やってくれやがって。こっちがまだ操縦がちゃんとできないからって、起き攻めは卑怯なんじゃないの」


「あ、まだ、もうちょっと余裕ある感じですねマスター」


 かろうじて電撃を耐えている女エルフたちだがこれもどこまで保つか。どうする、どうやってこの曲面を乗り切る。そもそも、ジャイアントエルフをどうやって動かしたらいいのか――。


 その時、女エルフの胸ポケットでスマホが震えた。


『シン○くん!! 今こそ貴方に託したそれを使う時が来たわ!!』


「……そうか!! 魔法少女デストロイモード!!」


『ジャイアントエルフは操縦者の特性をモロにフィードバックして動く生物兵器!! つまり、エントリープラグ内にいるシン○くんがデストロイモードになれば!!』


「ジャイアントエルフもデストロイモードになるってことね!! オッケー!! 了解!! やったろうじゃないのよ――!!」


 魔法少女チェンジスタンバイと、女エルフがいつものノリで変身する。

 いつも変身する際に出てくる、『安心フリフリモード』、『デリケートモード』の変身フォームに加えて、新たにそこには『デストロイモード』が追加されていた。


 これがUWA娘を通して高めたセンシティブの力。


「デリケートを超えたデストロイモード。いったいどんな格好になるのか」


「……やはり、前張りとかですかね? ギリギリ攻める感じの?」


「そこまで行ったらもう同人誌の域でしょ。えぇい、どうせ今はエントリープラグの中。恥ずかしい格好になるのは私じゃない」


「うわ、ひどい変身理由」


「『デストロイモード』選択!! さぁ、前張りでも、全裸でも、ドスケベ対魔スーツでもなんでも、着てやろうじゃないのよ!!」


 女エルフのフォーム選択と共にその身体が眩く発光する。

 そしてその光が収まったと思えば、彼女の身体はなぜか――。


「うん? なんだ? 安心フリフリモードと変わらない感じだぞ?」


「……あれ、マスター? なんかちょっと雰囲気変わっていません?」


「雰囲気って?」


「いや、身長というか、身体付きというか、主に胸周りというか」


「どういう意味じゃい。誰の胸が変身しても変わらない、まな板ツルペタすってんどんじゃと……」


 悲しくなるようなことをいいながら、下乳に手を添えて女エルフが驚く。

 ある。確かにある。今までそこに感じなかった肉感を感じる。


 しかもどたぷんと。

 明らかに持て余してる感じの下乳が彼女の掌で震えていた。

 さらにその身体は、栄養不足気味で痩せた少女のようだったのが嘘のように、健康的で肉感的なムチムチボディに変わっていた。


 そう――。


「ちょっとなにこれ!! どういうこと!! キャラが変わってるんだけれど!!」


「いえ、キャラが変わったというよりこれは……大人になったでは!?」


「大人ァ!?」


「そうか、デストロイモード――破壊するのはマスターの羞恥心じゃない。見ている側の羞恥心だったんだ」


 うわキツい。

 それを感じるのは、魔法少女ものでちょっと歳を食ったキャラが出てきた時。

 もう引退しなよと言いたくなるような成熟しきった大人の女性が、何故か魔法少女に変身して戦っているのを見た時。


 いや、まぁ、元ネタ的にはそれで大正解、大成功、そういうのもいいよね――ってなったんだけれども。


 アラスリエルフがムチムチ爆乳エルフになって、魔法少女服着ているのは流石に冗談では済ますことができないセンシティブさがあった。

 確かに視覚的にはデストロイ。

 目が壊れるようなショッキングな変身を女エルフは遂げた。


「なによこれ、なんなのよこれ、これがデストロイモードですって?」


「マスター、落ち着いてください。どんなに姿が変わっても、マスターはマスター」


「こんなデカ乳、恵体デカエルフとか――エルフの理想の権化みたいなものじゃない!! やったやった!! 今まで魔法少女になって、惨めな思いしかしてこなかったけれど、こういうのなら大歓迎よ!!」


「あ、意外に図太かった」


 そして、周りのウワキツとは裏腹、本人は爆乳恵体エルフになれたことを、喜んでいるようだった――。


 そりゃそうよね。

 ここまで散々な目にあってきたものね。

 たまにはいいじゃない。


 乳なしエルフが、爆乳エルフに変身したって……。

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