どエルフさん ~仲間殺しの罪を背負って騎士団を辞めた元騎士、奴隷狩りに襲われていたエロい女エルフを助ける。エッチなエルフたちとはじめるきままなハーレム冒険者生活。~
第1294話 どエルフさんと【エッチな棒】
第1294話 どエルフさんと【エッチな棒】
【前回のあらすじ】
「モーラ!! そんなお前、男になって!!」
「モーラヨ!!」
「声まで変わって!!」
性転換は【性闘衣1/2】。
ついに出会った女エルフとキングエルフ。まる一日も経ったのに、まだ【性闘衣1/2】の呪いが解けていない女エルフ、キングエルフも真っ青なイケメン細マッチョエルフに進化してしまうのだった。
怖い、怖いぞ【性闘衣1/2】。
一日経っても治らない性転換は流石にキツい。
そして、女エルフもまた怖い。
主人公よりも主人公っぽい、細マッチョエルフになってしまうとは。
このまま男エルフさんとして、この小説を引っ張って行くことになるのか……。
「いや、女エルフが下ネタに晒されるからまだ見るに耐える作品だけれど、男エルフがセクハラされるのはただのネット怪文書では?」
書籍化作家なのにこんなの書いていていいのか……。
そんなことを感じながらも続けているこのシリーズ。ぶっちゃけ、普段書いてる小説とかなり違う作風なのでコンバートが大変なんですよね……。
あぁ、エタりてぇ……。
「ここまで続けてエタったら、なんのために書いてたか分かんないでしょ!! 最後まで書き切りなさい!!」
そんな愚痴を枕にしつつ、今週もどエルフさんはじまります。
◇ ◇ ◇ ◇
「なるほど、【ダブルオーの衣】を一つに束ねた【性闘衣】。それが未完成だったために、こうしてフェラリアがマラリアになってしまったのか」
「だから、名前まで変える必要ないでしょ」
キングエルフに事情を話した女エルフ。
いきなり妹が性転換、しかも自分より逞しいマッチョエルフになっていたのに動揺したキングエルフだったが、説明を受けてようやく落ち着いた。
ほっと胸をなで下ろすキングエルフ。
こころなしか、いつもの尻の引き締まりがない気がした。
「そういうことなら――まだ自分がキングエルフを名乗っても問題ないか。もしも自分を越えるエルフの中のエルフが現れたら、この名を譲ろうかと思っていたのだが」
「譲らなくて結構だわよ。そんな名前誰がいるか」
「あははは、マスターのお兄さま、流石に面白い方ですね」
それじゃさっそく【性闘衣】を仕上げちゃいますねと、【ダブルオーの衣】に手をかけようとするELF娘。はやくしてよと急かす女エルフ。
男の身体になれてきたとはいえ、やっぱり股にイチモツがぶら下がってるのは精神的キツい。可及的速やかに元の状態に戻りたいようだった。
キングエルフたちから【ダブルオーの衣】を受け取るELF娘。
だがその時――。
「いや、ちょっと待て。もしかしてこの未完成の【性闘衣】使えるかもしれん」
「「え?」」
急にキングエルフが妙なことを言い出した。
何が使えるというのか。どう使うというのか。
装着者の性別を変換させるだけの、男のヤバ目の欲望を詰め込んだアイテムに、利用価値などあるはずもない。「馬鹿を言うんじゃないわよ」と、女エルフがすぐに食いついた。
それにキングエルフ意味深な顔をして応じる。
「実はなフェラリアよ、私はティトからメカキングエルフと合体してサイボーグエルフにならないかと誘われているんだ」
「……なによそれ、サイボーグエルフって」
「お前達と一緒にいたキッカイマンというのがいるだろう。アレと融合することで、私は生身の身体と機械の身体を半々に持つ、改造エルフに進化できるんだ」
「……やめときなさいよアンタ。そんな、一度なったら戻れなさそうなこと」
「世界を救うため。いや、未熟な己を越えるためにやりたいのだ。私はもう、この身体で十分な刻を生きた。なら、次なる肉体で新たな世界に挑みたい」
なるほどキングエルフの言いたいことは分かった。
そして、こいつが一度言い出したら聞かない奴だとも女エルフは知っていた。
兄妹として軽薄かもしれないが、聞き入れられないのを承知で問答するほど女エルフも暇じゃない。女エルフは兄の覚悟を素直に受け入れた。
ただし――。
「それがいったい未完成の【性闘衣】とどう関係があるのよ?」
彼が【性闘衣】を完成させるのに待ったをかけたのが分からない。
別に合体するなら勝手にどうぞというもの。それにどう、この中途半端な状態の神造遺物が関わってくるのかが見えない。
すると、キングエルフがそっと褌の中からアイテムを取りだした。
長く野太いその棒はちょっと嫌らしい形をしているようにも見える。
なんてモノを持っているのよと慌てて女エルフはそれから顔を逸らした。
「これはサイコカン。ティトから渡されたキッカイマンと合体するための装備アイテムなんだ」
「あいつ、またそんなしょーもないものを。しかもいったいどこで」
「しかし、いったいどこに装備すればいいのか分からなかった。いや、本当は分かっているのだが。男の身体でそれを、本来の用途ではないスロットに装備するのは、いささかどうなのかと……」
「説明するな!! この作品は全年齢対象なんだから、問題になるでしょ!!」
いまさらでは?
結構きわどいギャグや伏せ字を繰り返しておいて、レーティングの心配をする女エルフ。けれども、なんとなく言いたいことは分かってきた。
つまりキングエルフはこう言いたい訳だ――。
男の子だったら装備できないけど、女の子だったら装備しても問題ないもん、と。
「さながらこれは【エッチな棒】。女性限定で装備出来る特殊アイテム」
「そんな卑猥な特殊アイテムあってたまるか」
「キッカイマンとの合体には、女の身体になる必要があった。そして、その力を持っている不完全な【性闘衣】なるものがある。これはまさしく運命と言っていい」
「嫌じゃい!! だれがそんな運命認めるかい!!」
「フェラリア!! いや、マラリアよ!! 悪いがその【性闘衣】を貸してくれないか!! 私はキッカイマンと合体するために――女エルフになる!!」
「誰が貸すかバカタレが!!」
頭を冷やせとキングエルフの頭に得意の火炎魔法を向ける。
しかし、キングエルフも後には引けないのだろう、腰を落とすとそれを躱して女エルフに近づいた。
すぐさま彼女が持っている【性闘衣1/2】を奪い取る。
常時半裸状態だったのが運の尽き――。
「いくぞ!! 今こそ私はキングエルフから、クイーンエルフに生まれ変わるのだ!! そして、エルフとして武術家としてさらなる進化を遂げる!!」
「わぁ、馬鹿、やめろお前!!」
「いざゆかんめくるめくエルフTSファンタジーの世界!! てやぁっ!!」
キングエルフは【性闘衣1/2】に早き替えしてみせたのだった。
その身体が青白い光を放つ。かっと一瞬大きく光ったかと思えば、そのシルエットはむくつけき男から随分と違うものに変わっていた――。
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