第1216話 どエルフさんとオバケの○太郎

【前回のあらすじ】


 次々出てくる印象的なキャラクターたち!

 みんな、いったい幾つ心当たりがあるかな?


 少年時代をFの漫画で過ごしたいい大人達は、当然ながら全部答えられるよね。マニアックな作品は出していないから――。


「作者がニワカだから、メジャーどころしかパロできないって皮肉よね」


 高いねんF先生の作品集。(ぶっちゃけ)


 ワイかて全巻揃えて読みふけりたいわ。ドラえ○んなんて、ワシら30代からしたら心のバイブルみたいなもんやで。未来永劫語り継いでいただきたい人類の財産くらいに思ってる所があるわ。


 けど、金がないから読まれへん。(悲しい現実)


 katternさんにもっといろいろ読んで学をつけてもらおうと思った方は、是非カクヨムのサポートパスからプレゼントを贈ってね!! たぶんユーザー限定原稿をちょびちょび投稿していると思いますので!!(してません、ネタがない……)


 どピンクな内容だとしてもそれはそれでごめんやで!!


「ほんと、こんな奴をよく抱え込んだわねKAD○KAWAは……」


 そのネタもそろそろいいんでない?


◇ ◇ ◇ ◇


「以上が、この南の大陸で暗躍している七人。またの名を『ドラドラやってる七人』略して『ドラドラセブン』だ」


「そんな!! まるで『友情テレカ』を持っていそうな奴らじゃない!!」


 What is the 『友情テレカ』?

 古のオタクあるいは30代にしか分からないネタやめてもろて。

 ドラえ○んのスピンオフ作品、「ザ・ドラえ○んズ」なんて今の若い子には分かりませんよ。というか、そういう喩えが出てくる時点で、知っているなモーラさん。


 微妙なメタ返しをしておいて、いったい誰が黒幕なんだと首をかしげる女エルフ。

 お約束とはげに恐ろしきかな。


 とはいえ、ここまでずっと謎だった黒幕についての情報を得ることができた。これは大きな収穫ね――と彼女は一人頷くのだった。


「とにかく、これから先はこいつらとの戦いを念頭に置いて行動した方がいい。最悪、【MM砲】に到達する前に強襲される可能性もある」


「そうね。来るとしたら、やっぱり切り込み隊長の『オークゴリラ』かしら?」


「いや、偵察をしていそうな『鳥マン』かもしれない」


「厄介だわね」


「とにかく周囲に気をつけるんだ。それと直接戦闘になったら【ダブルオーの衣】を使うといい。アレを身につければとりあえず、一撃で倒されるということはないはずだ。もちろん、衣の力に精神を乗っ取られる可能性もあるが……」


 本当になんでも知っている。女エルフ達が【ダブルオーの衣】を集めていることさえもササヤマは把握しているようだった。

 逆に、なぜそこまで他人に対して介入するのかちょっと不思議だ。


 彼は興味本位で調べていたというが――。


「ねぇ、ササヤマ。貴方、もしかして何か嘘を吐いていない?」


「……何を?」


「本当にこんなことを興味だけで調べたの? 私たちのことについてまで調べるとは思えないんだけれど?」


 饒舌に語っていたササヤマが急に口を噤んだ。

 どこかおどけるような表情が消えてスンと彼は鼻を鳴らす。逃げるように女エルフから視線を逸らすと、彼は鼻の下を親指で拭った。


 やけに重たい沈黙が辺りに広がる。


 少しして「たまたまさ」とササヤマ。彼は結局、女エルフ達を助ける理由を、語らないことを選択したようだった。


 その選択を、女エルフも尊重する。


「……そう、なら構わないわ。ありがとう色々と教えてくれて」


「あぁ。俺にできるのはここまでだ。悪いが、後は自分達でなんとか解決してくれ。頼むぜ、この南の大陸をどうかお前達の手で終らせてやってくれ。俺もさ、いい加減仕事から解放されて楽になりたいんだわ」


 シニカルに笑ってササヤマが手を振る。「さてと」と呟いた彼は、床に寝転がっているワンコ教授に近づいた。


「話は済んだし、それじゃお嬢ちゃんには起きて貰おうかね」


「なにをするの?」


「別に怪しいことはしないさ。俺の超能力で、ちょっくら彼女にエネルギーをわけてやるだけ。泳ぎ疲れたくらいなら、いくらでも回復することはできるってもんよ」


 ほいとササヤマがワンコ教授の頭に触れれば、その指先が淡い緑の光を放った。回復魔法とはまた違う光景。黙って見守っていれば、それはものの数秒で終った。


 終ると同時に――ぱちりとワンコ教授が目を開く。

 自分が倒れたせいで、行程が大きく乱れたというのに素知らぬ顔。きょとんとした顔を振りまく彼女に、女エルフがなんとも言えず唇を噛みしめた。


「だぞー、なんか寝てしまってたんだぞー?」


「もう。ダンジョン攻略中に急に寝ないでよねケティ」


「ごめんなんだぞ。あれ、けど、さっき僕の頭に触れていたのは……」


 それはササヤマよと言おうとして、女エルフが彼の姿がないことに気がついた。移動した様子はなかった。けれど、確かに先ほどまで彼が居た場所にその姿がない。


 一瞬で消えた。

 どうやって――。


「まさか超能力?」


「だぞ? どうしたんだぞモーラ、そんな狐につままれたような顔をして?」


「えっ、あぁ。今さっきまでそこに人がいてね?」


「なに言ってるんだぞ誰もいないんだぞ」


「いやいや、ケティが寝ていた四半刻くらい、私はずっとそいつと話していて」


「だぞ? 四半刻?」


 言われてワンコ教授がひょいと懐から懐中時計を取り出す。

 作戦開始前に、女エルフとワンコ教授は時刻を確認していた。それを確認すれば、女エルフの主張が正しいかどうかはすぐ分かる。


 ほら、進んでいるでしょうと女エルフが目で訴えるが、それにワンコ教授がちょっと怪訝に首をかしげた。


「ぜんぜん進んでないんだぞ? まだ、ミッション開始してから、四半刻も経ってない状況なんだぞ?」


「……え?」


 ひょいと差し出された時計を見れば、確かに作戦開始時に確認した時刻とそれほど変わっていない。いや、むしろ時間が戻っている気さえした。


 女エルフが息をのむ。

 消えてしまった今となっては、何が現実で何が超能力だったのか定かではない。

 けれども、ひとつ言えることは――。


「やっぱり、アンタ絶対たまたまたじゃないでしょ」


 自分達に接触してきた超能力者が、何か大きな目的の為に動いているのは間違いなかった。


 胸に抱えたスクロールには『ドラドラセブン』の名。

 決して先ほどまでの出来事は夢ではない。


 彼女達を手助けしようとする謎の力に女エルフは沈黙と感謝を捧げた。

 そして必ず目的を果たしてみせると誓った――。

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