どエルフさん ~仲間殺しの罪を背負って騎士団を辞めた元騎士、奴隷狩りに襲われていたエロい女エルフを助ける。エッチなエルフたちとはじめるきままなハーレム冒険者生活。~
第1081話 少年勇者さんとオーカマチーム
第1081話 少年勇者さんとオーカマチーム
【前回のあらすじ】
デビルほにゃンダムと交戦するキングエルフたち。
思いのほか、機械鎧を十全に扱ってみせるのは少年勇者と仮面の騎士。流石に生まれついての戦士はどのような武器を手にしても強いと言うことか。ファンタジー世界においてはじめて行うロボットによる戦闘にも関わらず、彼らはよく戦った。
そんな中、キングエルフと女エルフはしばし言葉を交わす。
男騎士達を心配して、ここは任せろと申し出るキングエルフ。一度は迷った女エルフだったが、確かに今は彼の言葉に従った方がいいかもしれない。
「……分かった。後は任せるわね、兄さん」
「任せろ!! この尻に誓って、お前達を守ってみせるぞ!!」
「誓わなくていいから、力も入れなくていいから!!」
コミカルなやりとりを交えつつも、兄に後事を任せて女エルフは戦線を離脱するのだった。
「ふふっ、運が悪かったなデビルほにゃンダム。今の私は、肉親から珍しく頼られてちょっとばかり機嫌がいいぞ!!」
珍しい、妹からの激励にちょっとテンションが上がるキングエルフ。
声援を力に変えて、彼はデビルほにゃンダムに向かって飛んだ――。
◇ ◇ ◇ ◇
「アレックス!! セイソ!! 援護しろ、これからコクピットに突入する!! 露払い頼んだぞ!!」
「「了解!!」」
ピンク色の機体の横を通り抜けてキングエルフがデビルほにゃンダムに肉薄する。
すぐにそれを迎撃しようと触手が舞うが、襲い来るそれを次々に少年勇者と仮面の騎士の魔法鎧が銃で撃ち落とす。
これまた息の合ったコンビネーション。キングエルフに攻撃を加えるどころか、彼らの攻撃を防ぐことでデビルほにゃンダムは手一杯の様子だった。
そこに加えて――。
「アレックスくん!! セイソさん!! ちょっと後ろに下がりなさい!!」
「アシガラさん!?」
「アレックス!! 俺らも弾薬に余裕がない、ここは一旦下がるぞ!!」
背後からの声に少年勇者と仮面の騎士が銃撃をやめて交代する。反撃のチャンスと闇夜に踊る触手。けれども、それがキングエルフに向かう間もなく、空から無数のミサイルが降り注いだ。
炸裂するオレンジ色の花火の中、浮かび上がるのは白い機体。
小さなその人型のロボットは、背部に巨大なミサイルポッドを背負っている。アシガラが駆る機体は、単身敵中に躍り込むと敵中央でミサイルを全弾放出したのだ。
自殺行為のような特攻。しかしながら、目標が近ければ近いほど、また、不意打ちであればあるほど、ミサイル攻撃の命中精度は当たる。
ようは撃ち漏らさなければいいのだ――。
「いっけえぇええええっ!!!!」
アシガラの繰り出したミサイルの嵐に翻弄されて、デビルほにゃンダムがたまらずノックバックする。一瞬、自己再生機能も停止するような、激しいミサイルの雨をお見舞いすると、アシガラはすぐさま余分なパーツをパージして、きびすを返した。
「ははっ、ヒットアンドウェイよ!! 派手で良いわねこの機体!! なんだか分からないけれど、機械の私でも扱えるし便利便利!!」
「人間が乗ってないと機械鎧って動かないんだよな?」
「……どうなっているんでしょね、アシガラさんの機械鎧」
機体名は伏せる。
複座型で敵地に突っ込んでミサイルをぶっ放すマシンとだけ言っておく。
まぁその、なんです。時に大型ロボットと見せかけて、実は……みたいなのはこの手の話ではよくあるもので。それこそ、エヴァとかもそのパターンですし。
深くは追求するな。世界には謎が多いのだ……。
とまぁ、そんな機械の侍と入れ替わって今度矢面に立ったのはなんだか脚のホイールですばしっこく動き回りそうな機体。
乗っているのは戦乙女。
「アレックス!! セイソさん!! 補給を持って来ました!! 受け取ってくください!! 再装填までの時間は私が稼ぎますので!!」
「ありがとうセリス!!」
「おう、嬢ちゃんありがとうな!! 助かったぜ!!」
「女だからって舐めて貰っちゃ困りますよ!! 私も、人類の平和を守りたいという気持ちでは負けていません!! このぉーっ!!」
手にした剣と小回りの利く機体で、果敢にも触手を弾き飛ばしていく戦乙女。
意外とこれが戦闘センスがいい。南の大陸の動乱では、ヨシヲと隊長の背中に隠れて今ひとつ活躍しきれなかった彼女だが、ここで思わぬ才能を発揮した。
とはいえ、直接戦闘ではどうしても数で勝る敵を相手にするのは難しい。
ひときわ大きな触手をなぎ払った刹那。その大ぶりの一撃が生んだ隙を狙って、するりと触手が戦乙女の死角から近づいた。
まずい。一呼吸、戦乙女の乗る機械鎧の動きが止まる。そのまま触手が装甲を打つかと思われたその時、その横っ面を弾丸が打ち抜いていた。
どこから攻撃したのか。
ふと、弾が飛んできた方角を見れば、夜闇がノイズに揺れている。やがてそのノイズはゆっくりと影に変わると、漆黒のスタイリッシュな機体が現われた。
その手に握られているのは長い砲身の銃。
それは第四王女が駆る機体。なんというか玄人というか中二病というか、拗らせた男の子とかにすごく人気がありそうな機体だった。
「……任務完了!!」
「いや、それは違う機体だろ」
「なんでそんなマニアックな上に地味な機体に乗っちゃうんですかね」
「わかんないでしょーねアンタ達には!! 推しが乗ってるような機体にはおこがましくて乗れない、この微妙な乙女心が!! 私のような腐臭放つラフレシアが、白くて青くて赤い主人公専用機なんて恐れ多くて乗れないのよ!! こういう、雑魚マシンよりちょっと上くらいだけれど、絶妙にカッコいいのじゃないと無理!!」
「いや、それはそれで、そのマシンの持ち主に失礼だろ」
「そうですよミレディさん」
「矢○くんならこんなアタシが乗っても許してくれるもん!! きっと許してくれるもん!! そういう優しいキャラだもん!! バカぁ!! だからアンタ達みたいな女心の分からない主人公キャラは嫌なのよ!!」
第四王女大アバレ。
なに言ってんだかとあきれかえりながらも、彼女の狙撃は正確無比。正面でつばぜり合いを繰り広げる戦乙女的確にフォローしていた。
おかげで、十分時間は稼げた――。
「坊や、準備はいいか。最後の大仕上げといくぜ」
「大丈夫ですセイソさん。やってやりましょう」
ライフルの銃弾を装填し直し、予備弾薬も格納し直した少年勇者と仮面の騎士が駆る機械鎧が躍動する。後は任せろ、そう言い放つと、二つの同型機はまるでお互いをデコイにするように、華麗な連携を見せながらデビルほにゃンダムを圧倒した。
その巨体が揺れ、微かに後ろに後退する。
「いっけえええええっ!!」
「オラァッ!! 退がれ、退がれこのデカブツがぁっ!!」
「アレックス!! セイソ!! みんな、よくやってくれた!! さぁ、トドメだデビルほにゃンダム――!!」
コクピットまで数十メートルの距離まで接近したキングエルフが咆哮する!!
発光する!! 回転する!!
つむじ風を巻き上げ、それを推進力にしてさらに速度を上げる!!
繰り出されるは渦巻く人間弾頭!!
そう――。
「喰らえ!! エルフリアン柔術奥義!! 扇風機ぐるぐるアターック!!」
「「微妙に配慮しやがった!!」」
流石にデビルを倒すのに、マスターの技を使っちゃいかんだろ。
微妙に配慮した技を繰り出すと、キングエルフはデビルほにゃンダムのコクピットを強襲。見事生身でそれを貫いたのだった。
生身ユニットだし、超級覇王○影弾を撃つし、もう、実質○ガンなのでは???(謎感想)
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