どエルフさん ~仲間殺しの罪を背負って騎士団を辞めた元騎士、奴隷狩りに襲われていたエロい女エルフを助ける。エッチなエルフたちとはじめるきままなハーレム冒険者生活。~
第1076話 ど男騎士さんとスケルトン・オブ・ザ・デッド
第1076話 ど男騎士さんとスケルトン・オブ・ザ・デッド
【前回のあらすじ】
攻カク○頭隊からのメッセージを見ていた女エルフと新女王を急な停電が襲う。
暗闇に囚われた二人が咄嗟に火を灯せば、そこに現われる銀色の魔物の姿。
スケルトン。銀色に輝くその不気味かつ向こうの大陸ではちょっと見ない魔物に翻弄されて、女エルフと新女王がサウナを飛び出す。
なんとか一体は倒したが、更衣室に待ち構えていたのは八つの目玉。
四体の銀色のスケルトンが女エルフ達を遅う。
絶体絶命か、女エルフに吼えかかる銀色のスケルトン。
その口が大きく開かれたかと思えば、中から飛び出したのは火炎の渦。
このスケルトンただのスケルトンとはどうも違う――。
「危ない!! モーラさん!!」
そんな場面に颯爽と駆けつけた男騎士。彼は、その身体を覆っている新しいフルプレートメールを盾にすると、業火から女エルフと新女王を見事に救ったのだった。
身を挺して女性を守るその姿はまさしくヒーローそのもの。
男騎士、久しぶりの活躍であった――。
「いやけど、勝手に女子更衣室に入るのはどうなのよ」
熱い登場の所に水を差して悪いが、女風呂に勝手に侵入するのはどうなのか。
初期の頃にも、ナチュラルに女風呂に乱入してきたが、お前ほんとそういう所だぞ男騎士さん。
もっとこう、盛り上がる乱入の仕方があるでしょ。
胸も尻もない貧相なエルフしかいない所に乱入してどうするの!!
「うっさい!! ヒロインやぞこっちは!! 裸需要めっちゃあるわ!! みんな見たがる、ドキドキする、モーラさんのエッチなすっぽんぽんぞ!!」
そんなことないですよね……。
「だったらなんでこんな展開にした!! もうやだ、ちゃんとヒロインさせて!!」
◇ ◇ ◇ ◇
「女風呂に乱入した件については今は後回しだ。今はここを脱出しよう」
「分かった……ちょっと待って、着替えを持たせて!! 裸で外に出るのは流石に無理よ!!」
「お
「なんか今日はちょいちょい棘のあること言うわね!! うっさい、貧相な身体で悪うございましたねぇ!!」
そんなことを言っている場合じゃないと男騎士。
炎を吐ききった銀色のスケルトンが武器を持って男騎士達に迫る。振りかぶられた一撃を、腕でなんとか受け止めると、そのがら空きになった腹に男騎士がキックを繰り出した。
スケルトン。
重厚そうな見た目はしているが、最低限のフレームで構成されているためか、意外なくらいにその身体は軽い。男騎士のその一撃で吹き飛んだスケルトンは、後ろに控えていた奴らを巻き込んで盛大に転げ回った。
チャンスだ。この隙に衣装をと思った女エルフ。
しかし、そうは問屋が卸さない。
男騎士の背中から飛び出そうとした矢先、暗い壁に閃光が走ったかと思えば、そこが大きく爆産した。壁に空いた暗い穴の中から、こちらを窺うのは赤い瞳。
八つどころの話ではない。
無数に煌めく光を前に、女エルフはもちろん男騎士も新女王も絶句した。
「囲まれている!!」
「な、な、なんなんですか、この大量のスケルトンは!!」
「最初から罠だったんだ!! イカスミ怪人工場の息がかかったここは宿だったんだよ!!」
ここは俺に任せろと男騎士が前に出る。鎧を着ているとはいえ武器を持っていない彼。こんな大群を前にどう戦うのか。
無茶よと止めようとする女エルフ。
そんな彼女に、男騎士は背中でさっさと逃げろと語りかける。
「俺なら大丈夫だ。それより、コーネリアやケティを頼む」
「ティト!!」
「エリィ。モーラさんを頼んだぞ」
「……わ、分かりました、ティトさん!!」
男騎士に半ば押し切られる形で、女エルフと新女王がきびすを返す。再び、手に炎を灯しつつ、女エルフは裸のまま大浴場を飛び出した。
飛び出した先にもまた一悶着。
廊下には数体の銀色のスケルトンが蠢いている。
おそらく下の階も同じだろう。
どうやって逃げようかと考える暇もなく、スケルトンは女エルフ達に迫ってくる。しかしながら、今度は余裕がある。
すかさず電撃魔法を繰り出すと、女エルフはスケルトンを弾き飛ばした。
ふと、電撃を食らったスケルトンの動きが鈍くなったのに女エルフが気づいた。
「……どうやら、電撃魔法が弱点みたいね。よかった、これで少しは楽に立ち回れそうだわ」
「どうしますお義姉さま? どこに逃げます?」
「できればバスローブでもどこかで手に入れたい所だけれど、それも難しそうよね。恥ずかしいけれど、まずは開けた所――屋上を目指しましょう」
突き当たり。ガラス張りの扉が見える。向こうには、金属製の階段が闇夜の中に見えた。あれできっと、屋上には上れるだろう。
蠢いている銀色のスケルトンは六体。
この程度なら、いけないことはない。女エルフは空いている方の手に魔力を集中すると、稲光の矢を進行方向に向かって射出した。
白閃が煌めき、銀色のスケルトンの身体を貫いていく。
煙と悲鳴を上げてその場に崩れ落ちるスケルトン達。想像以上に、雷撃魔法の効果は強いらしい。まさしく死屍累々の中を、女エルフと新女王が駆け抜ける。
なんとか屋上へと続く扉にたどりつく二人。扉を内側に開けば、強烈なビル風が入り込んでくる。気圧の差。思わずへたり込みそうになるところをなんとか堪えると、二人はようやく階段に出た。
「……行くわよエリィ。裸だけれど、今は気にしてちゃ」
「待ってくださいお義姉さま!! あれを見てください!!」
新女王の脚が止まる。階段に足をかけて、静止した彼女の視線が向かうのは、コンクリートジャングルの根元。アスファルトで固められた道の上。
その上に、この機械都市にあっても、似合わないそれは蠢いていた。
幾重にも伸びる緑色の触手。まるで果肉のような丸いボディ。そして、そこから生える人間の身体を模した謎の器官。
ヒキガエルのような下半身を引きずって蠢くその巨大な何かは、白い蒸気と赤い光をまき散らして、都市の夜に君臨していた。
人に見えなくもない、その顔から妖しい光が飛ぶ。
それは女エルフと新女王がいるビルの階段を照らし出した。
「……なんなの、あの巨大なバケモノは」
「スフィンクス、キメラ、アルラウネ。なんにしても、あんな巨大なモンスター、生身で対抗することなんてできません」
「なんてこと、こんな何の前触れも無く追い詰められるだなんて」
赤い光が夜を切り裂く。
危険を察知した女エルフ。すぐに、彼女は新女王の身体に抱きついて、階段から身を投げ出した。
その次の瞬間――四足歩行の不気味な巨人から放たれた、赤色の光線が鋼鉄製の階段をあっという間に溶解させたのだった。
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