どエルフさん ~仲間殺しの罪を背負って騎士団を辞めた元騎士、奴隷狩りに襲われていたエロい女エルフを助ける。エッチなエルフたちとはじめるきままなハーレム冒険者生活。~
第599話 どエルフさんと二人はウワキツ
第599話 どエルフさんと二人はウワキツ
【前回のあらすじ】
第一王女さんついに女エルフさんにそそのかされて魔法少女になるの巻き。
『生体データ登録完了。コスチューム安全安心フリフリモードを自動選択。魔法少女エリザベート――
「お姉さま!! あぁ、お姉さまのお古の水着を装着して魔法少女になるとか、これってもうほとんどSE〇と言って過言ではないのではー!!」
魔法少女に自分のような娘がなれるのか。そんな迷いから着れないのかと思いきや、蓋を開けてみればそこは女エルフスキーの第一王女。
上記の変身呪文の通り、ろくでもないことを考えていたのであった。
ほんと、最低最悪の
しかしながら、そんな事態になったのも、自分の
彼女がいい歳して
そう――。
ウワキツだなモーラさん、ウワキツだ。
「話の展開で着せといてその言いぐさはないでしょうよ!! 馬鹿ァーッ!!」
◇ ◇ ◇ ◇
魔法少女勝負。
かつて幾度となく女エルフたちがその窮地を脱するために使った魔法である。
魔法のリングを発現させて、その上で安心安全な女子プロレス――もとい魔法少女勝負を繰り広げる。ハイメガ粒子砲を打ち込み、サブミッションを極める。そういうエクストリームスポーツ。
しかしながら、選ばれた人間しかその姿になることはできない。いや、むしろなることを躊躇してしまう、人間の本質が試される魔法。
そんな魔法に今、第一王女は挑んだ。
今やその主権を脅かされている、白百合女王国に対する影響力。
それを再び自分の掌中に取り戻すため。
目の前の強力な魔法使い。
そして、真にこの国の王女として、民にその力を示すため。
第一王女は魔法少女になることを覚悟したのだった。
そして、その覚悟が水着に認められた。
本来であれば高い素養と魔法使いとしての技能、そしてなによりも魔法少女としての見栄えを求められる変身に見事彼女は成功したのだ。
そう、二十を越えてからの魔法少女変身は命に関わる。
なまじ十代から魔法少女をやっていれば、その流れで魔法少女になることもできるだろうが、二十を越えての初魔法少女はきつい。
彼女はその命を賭した賭けに見事に勝利したのだった。
白色の
スポーティーな競泳水着のような模様が浮かび上がったかと思えば、彼女の身体に次々にフリフリの衣装が追加されていく。白と桃色を基調としたバトルドレス。絶対に安心な丈のスカートに、周囲を飛び交う桃色をしたバリアシールド。
そして、羽根の意匠が目を引くピンクの帽子を身に着けると、彼女は手に魔法のステッキを握り締めた。
そのステッキは衝撃的――そう、ショッキングなピンク色をしていた。
そしてちょっと健康器具のような見た目をしていた。健康器具なのだけれど、健康器具とは思えない、ちょっとアレな形をしていた。
ともかく。
「魔法少女エリザベート!! ここに爆誕ですわー!!」
パンプキンキャスターでも、ドラゴンなのに狩る側の
まっとうなピンク魔法少女に変身した第一王女。
金色の髪とピンク色のバトルドレスを颯爽と翻して、彼女は自分を導いてくれた女エルフの隣で腕を組むのだった。
ふっとニヒルに微笑んで、女エルフもまたその隣で腕を組む。
ここにマッスル・シスターズ――女エルフと第一王女という魔法少女コンビが結成された。
「さぁ、魔法少女勝負よ
「白百合女王国の覇権を駆けて、いざ尋常に勝負です
ギンと上から目線で圧のかかった台詞を吐きかける女エルフたち。
魔法少女に変身したことにより、一皮被るどころか剥けた第一王女。
その視線にはこれまでのどこかたどたどしい威厳はすっかりと形を顰め、国のために変身した、自らの身を犠牲にしたという自信のようなものがあった。
まさに彼女の母――女王カーミラを彷彿とさせる王威。
王者の風をまき散らして眼下のモノを睨みつけるその姿に、この場に居る者たちがおぉと思わず唾を飲んだ。
それは、その視線を真っすぐに向けられた出雲虎もまた例外ではなかった。
「くっ、なんと面妖な!! そのような早変わり、どのような鍛錬を積めば成すことができるのか!!」
「鍛錬の問題ではないわ!! これは心の問題よ!!」
「そうです!! 誰にも譲れない願いがある時――女の子は魔法少女になることができるんです!! そういうものなのです!!」
「誰にも譲れない願いがある時か――」
ふっと
その笑顔の意味が分からず、女エルフと第一王女が首を傾げる。
自分たちが魔法少女に変身できたことをあざけっている訳ではない。
そう、そういう性質の笑いでないことは、本能的に理解できる。
しかしながら、女エルフたちには何故ハゲ修験者がそんな顔をしたのか、すぐに判断できかねた。
なにぶん、彼女たちは彼のことをなにも知らない。
「譲れないもの。それに対する思いが奇跡を呼び起こすということか。なるほど、貴殿らの白百合女王国に対する並々ならぬ熱い想いには儂も感じ入った」
「ほほぅ」
「当たり前です!! お母様が愛したこの国を、私は誰にも渡しません!! この国は、この国の民は、私がこれからも責任を持って導きます!!」
「笑止!! 長きにわたる女帝カミーラによる独裁政治!! それが、民たちの生きる心を奪い去った!! それ故の此度の国の荒廃ではないのか!! それ故の、ここまでの政治の混乱ではなかったのか!!」
今更遅いとばかりに第一王女に辣言を浴びせかけるハゲ修験者。
彼にもこの国に対する熱い想いがあった。
そう、彼もまた国の荒廃を憂いて立ち上がったのだ。
愛国者には変わりないのだ。
魔法少女になってしても、圧することのできない相手。
これは相当手ごわい敵だ。
その切り返しに、思わず女エルフと第一王女も、圧倒的な力を手中にしながら手に汗を握り締めてしめた。
そう。
王者の風は出雲虎の背中にも吹いていた。
それだけではない。
「相分かった!! ならばその想いに儂も儂の全力で応えるとしよう!! 其方らが魔法少女勝負とやらでこちらに挑むと言うのならば、それに応えよう!!」
「覚悟はできたようね!!」
「手加減しませんよ、
それはこっちの台詞よと、吐き捨てたその瞬間。
すわ、ハゲ修験者。
何を思ったか、上着を脱ぎ捨て褌一枚となった。
そして、念珠を手に巻き付けて、くわっと目を見開く。
その行動に――場の全員が白目を剥いた。
唐突に吹きすさぶ白んだ空気。
なんだかさっぱりの妖精がナレーションを入れてきそうなその状況で、
そう、熱い言葉を。
「熱い想いが力に変わると言うのなら!! 儂にもこの国を憂う想いがある!!」
「……え、ちょっと、ちょっと!?」
「……ま、待ってください
「……つまり!! 儂も、
爆弾発言。
そう、メテオ級の爆弾発言をぶちかまして、半裸になった
彼はまた、濃いパロディ顔をしてとんでもないパロディ発言を口にしてくれるのだった。
うん。
ウワキツとかそういう前に、お前さんは普通にアウトだ。
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