どエルフさん ~仲間殺しの罪を背負って騎士団を辞めた元騎士、奴隷狩りに襲われていたエロい女エルフを助ける。エッチなエルフたちとはじめるきままなハーレム冒険者生活。~
第454話 どエルフさんとダーティファイト
第454話 どエルフさんとダーティファイト
恐怖!!
水着を装着したことにより、女エルフと同じく殴り主体の戦闘スタイルである
黒い炎を背中から上げて、彼女は今、女エルフに立ち向かう。
はたして、この魔法少女、一筋縄ではいかないようだ――。
「って、さらっと酷い当て字使い続けてる!?」
天丼は繰り返すことに意味があるんですよモーラさん。
流石だなどエルフさん、さすがだ。
キャッチコピーとしても重用している、このワンフレーズの重みと大切さを分かっていただけたでしょうか。
「分かりたくもない!!」
という訳で、今年のFG〇水着ネタも例によって回収しつつ、今週もどエルフさん開幕でございます。まぁそりゃそうと――水着イバラギン引くために無償石を全て溶かしたため、後半の強力なサーヴァントを引けなかったワイを笑うがいいわ。
BBちゃん系サーヴァント、一基くらい欲しいなりぃ……。
「なんの話だ!!」
◇ ◇ ◇ ◇
リングに燃える黒い炎。
まるで暴れる龍のように彼女の背後で踊る炎。それを眺めながら、女エルフと男戦士は息を呑んだ。まさかの立場逆転、魔法少女勝負により有利に事を運ぼうとしていた女エルフのたくらみは、見事に
「さぁ、勝負を始めましょうか!! エルフのお姉さん!!」
ますますと背後の黒炎を濃くして狂気の笑顔を向ける
その瞳には狂気と共に勝利を確信する自信が宿っている。
どうすると、女エルフが男戦士を見る。
前回の魔法少女勝負の勝ちパターン、敵を油断させてのジョブチェンジ、そんな敵の意表を突いての逆転ファイトは、少女がジョブチェンジしたことから、通じないだろうと察せられた。
しかしいまさら大きな戦略変更もできない。
となれば、あとはもうジョブチェンジをするタイミングである。
最初からジョブチェンジして挑むか。
それとも、しばらく現状の安心安全フリフリタイプで凌ぎ、時を見計らってキャストオフ、ファイトスタイルを変えての逆転を狙うか。
見たところ、相手にはもう隠し玉はない様子である。
初手から全力ということを考えれば、その全力を試す方が賢いだろう。
しかし、女エルフは戦闘のプロではない。
そして、それでなくても、水着姿を人目に晒すのには抵抗感のある年齢。
そう、女エルフは戦闘のプロの男戦士に助言を求めた。同時に、今回――仕方がないので泣く泣く仕込んだジョブチェンジ用の水着について、あまり自信がなかった。そう、三百歳エルフの自分が着てもいいものなのか、それを晒しても問題ないものなのかと、ここに至ってまだちょっと悩んでいたのだ。
そんな悩みの詰まった視線に対して男戦士は――。
「大丈夫だモーラさん。自分を信じるんだ」
「……ティト」
「自分のウワキツ力を信じるんだ!!」
自信満々に、自分のことでもないのに握りこぶしを作って返した。
聞いた自分が馬鹿だった。
そんな感じで、女エルフがリング正面に死んだ顔を向ける。
あぁもう、どうしてこんなことになってしまったのか。
「とりあえず、妙な殺気だけは湧いて来たわ」
目の前の少女ではなくて、背後に立っている男戦士に対してだが。
とりあえず、女エルフはウワキツ力という――その通りなのだけれども、言われると流石に引いてしまう言葉の響きに、しばし、ジョブチェンジの保留を選択した。
「大丈夫だ!! 十分に、モーラさんはウワキツだ!! むしろ、安心安全フリフリフォームの時点で、結構きつい!!」
「うっさい!! ウワキツで悪かったわね!!」
かくして、両者魔法少女への変身は終わった。
戦いのゴングが鳴る。
まず、先に仕掛けてきたのは――
しかし。
「……えっ!?」
「いっくわよぉっ!!」
その攻撃は、いきなり飛び道具、背中に背負った黒炎をを、手の動きに合わせて操ったかと思うと、女エルフに向かって放つという奇手であった。
魔法少女勝負はハイメ〇粒子砲と肉体言語が飛び交う安心安全なスポーツ。
しかしながら、その背後に揺れる炎が、ハイメ〇粒子砲だとは思いもよらなかった。何か演出的なものだと、すっかりと女エルフは誤認していた。
正面にバッテン――×――を描いて女エルフを襲う黒炎。
避けようにもリング隅。右にも左にもロープがあって身動きが取れない。ならばと上に飛んで躱すとそこには――。
「遅ぉいッ!!」
驚くべき跳躍力、そして、滞空時間。ひらり身を翻した、桃色の髪を白色に染め変えた少女は、ネコ科動物が如き鋭い眼で女エルフを一度だけ見た。
その瞳にはやはり、自分の勝利を確信する力強さが宿っている。
女エルフの肌がぞっと魔法少女服の中で粟立つ。流氷の浮かぶ海に突き落とされたが如く、肌はその襲い来る死の悪寒に震えた。
同時に彼女は気が付いた――。
違う。
今回の相手は、バビブの塔の魔法少女と違うタイプだ。
「キャスト――」
「遅いって言ったでしょ!! それはさせない!!」
上段から振り上げられる死神の鎌。それは、白樺のような純白をした少女の脚。
気づいたときにその顎は、女エルフの脊椎を穿っていた。
かはっと胃の底から空気が抜ける。
そう、違う。
女エルフは、魔法少女勝負とは関節技が主体だと、勝手に勘違いしていた。
それでなくても年頃の女の子が、そのようなダーティな戦いを挑んでくるなど、考えてもみなかった。
異世界漂流者の少女は、躊躇なく、打撃攻撃を女エルフに対して繰り出した。
そう、彼女は打撃タイプの魔法少女だった。
「だらしないわねぇ!! そんなんで、魔法少女勝負を挑むなんて百年早いんじゃないの!? もういっぺん、本当の少女からやり直したら!!」
「……こ、こいつぅっ!!」
番狂わせ。
得意の勝負と魔法少女勝負を持ちかけた女エルフであったが、戦いは最初から彼女を翻弄する展開をみせた。
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