どエルフさん ~仲間殺しの罪を背負って騎士団を辞めた元騎士、奴隷狩りに襲われていたエロい女エルフを助ける。エッチなエルフたちとはじめるきままなハーレム冒険者生活。~
第357話 どエルフさんと白百合女王国壊滅
第357話 どエルフさんと白百合女王国壊滅
【前回のあらすじ】
少女騎士と大人気なく魔法勝負をしようとする女エルフ。
しかし、そんな彼女たちの間に思いがけない人物が割って入る。
「リーナス自由騎士団、【逃がし屋】カロッヂだ。カツラギに次いで二番乗りってことになるのかな。よろしく、金髪が綺麗なエルフのお嬢さん」
現れたのは髭面にぼさぼさの髪をした優男――リーナス自由騎士団の【逃がし屋】であった。
そしてそんな彼は、思いがけない人物を背中に連れていた。
「お姉さまァ!!」
「……エリィ!?」
女エルフの
◇ ◇ ◇ ◇
「エリィ、どうして貴方がここに!?」
「エリィさん!? その汚れたお召し物は!?」
「だぞ、それに【逃がし屋】って!?」
女エルフたちの視線が、逃がし屋と第一王女を交互に行き来する。
するとぼりぼりと逃がし屋が頭を掻く。
間違いなかったようだなと彼は独り言ちに呟いた。
「確かに逃がしたぜカミーラ女王。リーナス自由騎士団が【逃がし屋】カロッヂ、アンタの娘を信頼に足る人物の所まで届けるって依頼、完遂させて貰った」
「……どういうことか、説明してくれる? カロッヂ、さん?」
女エルフの視線を受けて、また逃がし屋が頭を掻く。
その前に、一服させて貰って構わないかなと言いたげに、煙草を手元でちらつかせるのだが、それを女エルフは睨みを利かせて制した。
やれやれとまた彼は胸元に煙草を潜ませる。
「言った通りさ。彼女を逃がすという依頼を、カミーラ女王から請け負った」
「あの女傑がそんなことをするものですか」
「するさ。国が亡ぶ危機となれば」
国が亡ぶ。
その言葉の響きに、女エルフたちの間に動揺が走った。同時に、それまでどこか飄々としていたカロッヂの顔が引き締まる。
どういうことなのと問うた女エルフにカロッヂは正面を向けて語り出した。
「暗黒大陸から奇襲を受けた。暗黒大陸は中央大陸の西側、手勢は僅かと思われたが……どうやって運んだのか、万を超す大軍により瞬く間に蹂躙された」
「万を超す……」
「大軍……」
頭を過ったのは暗黒騎士、そして、彼が使う暗黒剣ソードムである。
その魔剣は、暗黒大陸に渦巻く怨霊をこの世に顕現させる。突如として、万を超す大軍を出現させたのは、この魔剣の力ではないのか――と。
同時に女エルフたちは大きな思い違いを痛感することになった。
「西じゃない、ということなの?」
「だぞ。西の王国から暗黒大陸は攻めて来る。そう思っていたけれど、違う」
「暗黒剣があれば、それを操る暗黒騎士が居れば、どこからでも、暗黒大陸は侵略を開始することができる――ということですか!!」
戦慄する女エルフたち。
しかし、なぜ、白百合女王国からなのか――。
その時、胸の中で嗚咽をあげていた第一王女が顔を上げた。
「母上が、どうしても私だけは捕まってはいけないと、逃げなさいと言って。私は最後まで国の者たちと戦うつもりだったのですが」
「……エリィ」
悔しさに肩を震わせ、大粒の涙を目じりから零す第一王女。そんな彼女の小さな体を、女エルフは義理の姉として、力強く抱きしめた。
わっと、堰を切ったよに嗚咽が第一王女の口から湧き出たかと思えば、その薄い胸を合わせて、二人の貧乳姉妹は悲しみに暮れるのであった。
「……貧乳姉妹?」
失礼。
◇ ◇ ◇ ◇
一方。
時は少し遡り、白百合女王国陥落前――。
「
「……虚無魔法、
「オォォオオォオオオォオオオオォオオオオンン!!」
「きゃるーん!! メイド殺法ぉっ!! 奥義流れオムライス星砕きを喰らいやがいなさいませデース!! 貴方のハートをケチャップブレイクぐっちょぐっちょNE☆!!」
赤鬼と化した仮面の戦士。
漆黒の闇を魔法で作り出すダークエルフ。
大剣を力任せに振り回す鋼の巨人。
そして、どう見てもはたきにしか見えない何かを振り回すメイド。
一騎当千の暗黒大陸利の将兵たちが一度に攻撃を仕掛ける。
その先に立っているのは――全裸の老女。
そうそれこそは、白百合女王国の女王にして大陸一の女傑――。
カミーラであった。
「……【
【魔法
「「「「ぐ、ぐわぁあああああっ!!」」」ですぅ!!」
女傑カミーラの老女とは思わせぬ必殺技。
全裸婆の渾身の必殺技を受けて、暗黒大陸の戦士たちはその場に倒れた。
パンツビームも放ち、全裸ビームをも今また放つ。
この婆、本当に婆なのだろうか。
婆という名の何かではないのだろうか。
「ちぃっ、これが【魔神の末】の力か――【鬼族の呪い】も霞むとはたまらねえ」
「……無駄口を叩く暇はありません、エドワルド」
「オォォオンン!!!!」
「ひんひん!! キサラ、こんな激戦になるなんて聞いてなかったです!! メイド殺法が通じないなんてBoo!! Boo!! 反則ですYONE☆!! メイドこそ、この世に置いて最強で最高でサイコな存在のハズなのに!!」
女傑カミーラを睨んで並ぶ暗黒大陸の将たち。
四人がかりにも関わらず、彼らは女傑に競り負けているようだった。
このままいけば負ける――。
そう、四人が確信した時、女傑がその思惑を察したように笑った。
「……暗黒大陸の者どもよ!! このカミーラ、女傑と呼ばれて久しいが、未だその力衰えぬと知るがよい!!
そう啖呵を切って、再びその身体から【
「その必要はない――」
凛として冷たい色を帯びた男の声が彼らの居る場に響いた。
同時に、女傑カミーラの顔が青ざめる。
何故か――それは。
「シャ、シャルル!?」
記憶の中にある若かりし頃の伴侶の顔に、その男が重なったから。
それは彼と最も長い時間を共にした彼女だからこそ分かるものであった。
黒い長髪を戦場に吹く風に靡かせるその男は、黒い鎧を身に纏い、黒い剣を構えている。
そう、それなるは、まさしく暗黒の騎士――。
「お初にお目にかかる母上。とはいえ、再会を喜ぶ必要はないだろう。私は貴方に捨てられた身だ」
「……なんという!! おぉ、なんということ!! 暗黒大陸の巫女!! なんと残酷なことを考える!! 悪魔め!! あの外道めぇっ!!」
「故に、躊躇せん。我が主――魔神シリコーンの宿願のため、差しだしていただくぞ。我が妹にして、主の母胎たるエリザベートの身を」
暗黒騎士が握りしめた剣より黒きオーラが漏れ漂う。
その男の名を君たちは知っている。
「……シュラト様」
「言うなアリエス。この身、波濤の中に沈みし時より、シリコーン様のモノなり。全てはこの世に再び、彼の大神を受肉させるために」
暗黒剣。叫び振るえばその闇の太刀筋は、【
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