第119話 どワンコさんとど紳士さん
【前回のあらすじ】
なんとか商隊を捕まえた男戦士たち一行。しかしながら、同行の
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キャラバンは次の
日はすっかりと暮れてあたりに光はない。
そんな中、男戦士たちは馬車から
「こっからだと南の森は遠いだろうな。だいたい、一週間くらいかかるだろうか」
「やむを得ない。もとより、ダメならそうするつもりだったんだ」
「そういや最近はこの
「ちょっと、それ、今言う話じゃないでしょ」
そういう精神的なゆさぶりをかけてくるのは、なにも性格が悪いからではない。
なんとかしてキャラバンに残ってもらいたい。
とまぁ、そういう
しかしながら彼らも
割の合わない仕事には手を出せない。
彼らにひっついて、南国を
と、そんなところに。
「ティトさん、モーラさん。どうでしたか、お話はまとまりましたか?」
やって来たのは
その、神に仕える身にしてはありあまる、しっかりとした胸を揺らして、彼女は男戦士たちの方へと歩いてくる。
すぐさま、男戦士のつるつるの脳が、つるりと光った。
「コーネリアさん。すまないが、ひとつ、頼まれてくれないか」
女修道士に色仕掛けをさせる。
なんと
もしこの男戦士の
というかそもそも女修道士が怒るかもしれない。
そんなリスクを負ってでも、男戦士は彼女にそれを
「――しかたないですね。おっぱいにおしりは代えられませんし」
「おぉ、流石はシコりん!! どこぞのエルフさんと違って、理解も胸もある!!」
「おい、どこのエルフが理解も胸もないって?」
とまぁ、そんなお約束のやり取りを交えつつ、
が、しかし。
「悪いんだけどタイプじゃないんだわ。胸があればいいってもんじゃないよな」
せっかく頼みましたのに、くすん、と、しょげる
「――おかしい。エルフにも、シコりんのおっぱいにも反応しないなんて。いったい、あの隊長の
「お前の
「これはもう仕方ありませんね。頑張って、歩いて南の森まで行きましょうか」
「んがぁ。みなさん、申しわけねえだ。オラのために――」
オークまで馬車の外に出てくると、今後の方針について話し合う。
ふと、その時だ。
「――あれ? そういえば、ケティの姿がないけれど」
女エルフがふと、ワンコ教授の不在に気がついた。
「あぁ、ケティさんなら。馬車の
そんな言葉にあわせるように、もっそりとワンコ教授が馬車の荷台から出てくる。
ぼっさぼっさの頭に、ぶかぶかの白衣、小さなしっぽと
まったく
その横で、きらりと、何やら
それはもう
「なっ!? なによあれは!?」
「まさかあれは!! 伝説の!!」
「あぁ、
【スキル 見守る眼: 若いパーティーメンバーのとんちんかんな行動や、今一手が足らない行動を、あたたかい心と慈しみのこころで見守るという一種の
「だぞぉ、ここ、どこなんだぞぉ。もう、森についたのかだぞぉ」
「はっはっは、お嬢ちゃん、ここはまだ森に向かう途中の集落さ」
「だぞ? おっさん、誰なんだぞ?」
「俺の名はビクター。このキャラバンの隊長にして、この大陸の宝である少女たちの味方。安心してくれハニバニ。この俺が、このたくましい
さっきと言っていることがまったく違っている。
さきほどまでの色仕掛けはなんだったのか、と、女エルフと女修道士が肩を落とす。
そんな中、ひとり合点がいったという感じに、男戦士は手を叩いたのだった。
「なるほど、ロリ○ンだからモーラさんにもシコりんにも反応しなかったのか」
「わざわざ言わなくてもいいのよ、そういうことは――」
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