女の子と。

無人街ロンドン。そこは、戦争でほろんだ主要都市の一つだ。

1000年前は「霧の街」と呼ばれていたようだが、人のいない今となってはその面影もない。

「こちらアルシュ。ポイントに到着した。」

アルシュは無線で本部に通達した。

「本部了解。荷物の回収を遂行してください。」

無人街のとある施設跡の裏にそのポイントはあった。しかし。

何もない。

くるりとあたりを見回す。、、、やはり、何もない。いや、「誰もいない」が正解だろう。

「おい、、、、、。」

「!!!!!!!!!!、、、、、、?」

アルシュはびっくりした。さっきまで誰もいなかったはずの空間から声がするなんて。

声のした足元を見てみると、薄暗かったが、たしかに誰かいる。

「お、、お前がアルシュだな、、、。」

「、、、そうだ。」

アルシュはカチり、とハンドライトのスイッチを押した。

パッ、とそこが強く照らされた。

女の子がいる。

体育座りしている。

見たところアルシュと同い年の、金髪緋眼の少女が。

「んん、、、、。まぶしいからやめるのだ、、、。」

「、、、。」

アルシュはカチり、とライトのスイッチを切った。

もしかして、、、、。この子が荷物?

女の子はすっくと立ちあがり、アルシュとその紅い眼をあわせた。

アルシュは顔をまじまじ覗き込んだ。

(どっかで見たことあるな、、、)

彼は率直にそう思った。

「どうした。私の顔に何かついているのか?」

「、、、、。」

「いや、、、どこかで見たことあってな。お前の顔。」

「そうなのか?」

フウウ、と息をアルシュは吐いた。

「んー、寒いのだああ。」

「"(-""-)"」

「とゆうわけで、、、ハグううううううううう♡」

ばっ、と女の子が抱き着きにかかった。

「!?」

アルシュはトシュウッと左に避けた。

右側の女の子の腰のあたりに腕を差し込み、布団を腕に担ぐみたいに

女の子を担いだ。

「本部、荷物を回収した。」

アルシュは無線に短くしゃべった。

「んあああああ!?や、、、やめるのだああああ!それに、私は荷物じゃないいいい!」

じたばた暴れる女の子。

「、、、。」

むっつりアルシュ。

まったく。この子を抱えて7000キロかあ、、、。とアルシュは思った。











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ハーネスと金髪と。 ドラショ アンダーウッド @owata555

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