無
みーこ
No.0
ねぇ、起きてよ。
君は私よりも素敵で
愛されて。
こんな形で終わるなんて聞いてない。
まだ「さよなら」も言えてない。
だから私はいつも、、、
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今日もここは暗かった。真夜中のように暗い。すこし錆びたカンテラがユメコとその周りの置物を照らしていたが、それでも目を凝らさないとユメコの顔が見えないくらい暗かった。病室の一角にあるベットで静かに眠るユメコはまるでそこには存在しないかのように神秘的だった。もっとも、ユメコの容姿はナナシがいつも見ていた姿をしていた。ナナシはそんな美しいユメコを優しく見守っていた。
「ユメコ、また遊ぼうね。」
ナナシは語りかけた。返事が来るわけでもないのに。あの元気に走ってくるユメコの姿はどこにもない。
「ユメコ・・・ッ...」
目の前がにじんで白くなってゆく。それとともに強烈な眠気がナナシを襲った。さっきまでは眠くなかった。いきなり“眠気”と言う登場人物が登場したみたいに前触れもなくパッと現れた。大きなあくびをかく。するとなにかコマンドを入力したみたいにカンテラの火が消えた。それとともにナナシは夢の中に行ってしまった。
無 みーこ @mudu
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