くじらのくーちゃんとことりのぴーちゃん

@meg1984

第1話


クジラのくーちゃんとことりのぴーちゃんのお話


ある日、大型船で一羽の鳥からたまごがいくつか生まれました。

その中の一つにまだら模様のたまごが混じっていました。

こんなたまごいらないと親鳥はそのたまごだけ温めるのをやめました

温めるのをやめられたたまごは大型船に乗っている人間に見つかると、

こんなたまご気味が悪いと言われ海に放り出されました。



放り出されたたまごは

くじらのくーちゃんが大きな口を開けているところにちょうどはいっていきました。

くーちゃんはびっくりしました。

変な模様のたまごが口に入っちゃった!

どうしよう。。。

吐き出してしまおうか・・・

だけど、このたまごは自分が吐き出してしまえば、海の藻屑と消えていくんだ。。。

このたまごには命が息づいているんだ。。。

どんな命も捨てられたり無駄にされたりすることは悲しいこと。。。

自分に一つの命が託されたんだ。。。

変な模様のたまごだからどんなのが生まれてくるかわからないけれど。。。

大事な大事なかけがえのない命だから。。。

自分が守り育てていく!

そうくーちゃんは決心し

その卵を自分のおなかの中で温めることにしました。


くーちゃんは、元気に生まれてきますようにと大事に大事に温めました。

しかし、なかなか生まれてきません・・・

このたまごのなかの命はもう死んでしまっているのだろうか。。。

くーちゃんは心配になりながらも

懸命に温めました。


あるひ

くーちゃんがくしゃみをしたとたん

たまごはくーちゃんの頭の上から塩と一緒に

飛び出して空中で見事に半分に割れました。


その中には羽が片方しかついていないちいさなちいさなひながいました。



中から出てきたひなをくちゃんは、ぴーちゃんと呼ぶことにしました。


ぴーちゃんは生まれて初めてくーちゃんのことをみたので、

くーちゃんをお母さんだと思いました。

くーちゃんとぴーちゃんはくじらととり。。。

違う動物同士なので血はつながっていません。


けれど、


くーちゃんとぴーちゃんはとっても仲良しになりました。


ある日、嵐がやってきました。


ぴーちゃんはうまく飛ぶことができません・・・

あまりにも風と雨が強くぴーちゃんが吹き飛ばされそうになったので、

くーちゃんが大きな口を開けてくーちゃんはその口の中で避難することにしました、







ぴーちゃんは生まれてきた日のことをおもいだします。


くーちゃんのおなかの中で大事に大事にされたこと

くーちゃんがぴーちゃんのことをだれよりも待ち望んでくれていたこと。。。

くーちゃんはとても幸せです。

本当のお母さんからは温めてもらえなかったけれど、

ぴーちゃんはくーちゃんからたくさんたくさん愛をもらいあたためてもらっているんだと実感することができています。

くーちゃん、ありがとう。。。




そのとき、

どーーーーーーーーん


くーちゃんはぴーちゃんがかつて放り出された大型船とぶつかってしまいました。


ぴゅー!


その勢いでぴーちゃんは外に投げ出されてしまいます。



くーちゃんは目を開けず水中をぷかぷか浮かんでいます

それでも、くーちゃんはピーちゃんを必死で守ろうと口を開けようとしています。


ぴーちゃんのことをくーちゃんは自分の命と引き換えにしても守りたい。そう思いぴーちゃんに

「くーちゃんの中に入って・・・くーちゃん、ぴーちゃんにしてあげられること。。。これがさいごかも。。。ピーちゃんは生きて・・・」


ぴーちゃんは

くーちゃんが死にそうになっているんだとわかりました


ぴーちゃんはくーちゃんに助けられてばかりだと気づきました

いまこそぴーちゃんがくーちゃんのこと助けなくちゃ守らなくちゃ!

「大切なものは自分で守らなきゃ」


ぴーちゃんは嵐の中

海を遠く飛んでいき

くじらのおいしゃさんをよんでくることにしました。

羽が片方しかないのでうまくバランスが取れずなかなか前へ進めません

けれど、懸命に飛び続け、

くじらのおいしゃさんのところにたどり着きました


くじらのおいしゃさんは何でも知っています。


くーちゃんは仲間からいじめられて一人ぼっちになってしまったんだ。。。ということ


くーちゃんはとってもとっても悲しくて、大きな声でないていたんだ

そんな時ピーちゃんの卵がおちてきたんだよ

だから、ぴーちゃんはくーちゃんにとってかけがえのない存在なんだ


ぴーちゃんはくじらのおいしゃさんからそのことをきき

絶対にまたげんきなくーちゃんにあいたいと強く思いました。



くじらのおいしゃさんが


くーちゃんをちりょうして


くーちゃんは少しずつ元気を取り戻していっています



くーちゃんもぴーちゃんに大切にされていること死にそうな中でひしひしと感じていました

ぴーちゃんのためにもげんきにならなくっちゃ!


それからしばらくして、くーちゃんは元気になりました。


ぴーちゃんもくーちゃんも

違う動物同士だけれど

強いきずなで結ばれ

ずっとずっと

仲良く暮らしていきました。



めでたしめでたし。

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