397 浪漫之友 13号(同人誌)
2008.04/天狼プロダクション
<電子書籍> 無
【評】 ―
● 乳首はオーケイなら仕方ないね
栗本薫個人同人誌第十三号。
『マルガ・サーガ6 湖畔日記 後篇』『ヴァンパイア・サーガ4 庭園』収録。
『マルガ・サーガ6 湖畔日記 後篇』
「さあ、挿れるぞー」、というところでナリスが怪我人だということを思い出したヴァレリウスは自制するものの、そういう優しい男を起こらせてレイプしてもらうプレイを想像して乳首ビンビンになつたナリスは挑発しまくってレイプしてもらい満足しました。
でも血まみれのシーツを見て「うーん、こんなの小姓に見られたらアナルセックスしてたのバレバレやん。そうだ」と閃いてリスカして血を上塗りして隠しました。よかった、これでバレない(なおとっくにバレてて見なかったふりされてる)。二人の関係がバレたら大変だけど、わいの愛が秘められたままなのは辛いんで日記にして残しとくで。死んだ後に妻が見てショック受けるかもしれんけど死んだ後ののことはどうでもいいわ。絶対に云わんけど愛しとるでヴァレリウス。 ~完~
本編理解のために必要な話なのでは? と前巻のレビューで書いたが、こんな気持ち悪い心理は理解しないほうがいいのでやっぱり隠しといて正解ですねこれは……。
自分がハメハメして欲しくてたまらないのにレイプされたという形式でしかセックスしたくないというこのクソメンヘラ女にイラついてしょうがない。容色の衰えた中年になったら夫婦間でもうちょっと素直にやりたい気持ち出さないとセックスレスになるに決まってるしそんなことだから欲求不満でこんな小説書いているんじゃないですか!?こんな小説書くより早くYES/NO枕買ってきたほうがいいんじゃないですか純代さん!
そんな下世話なことをいいたくなるくらいに、このナリスは面倒くさいクソ雌豚である。
生きているうちには面倒なことになるから表沙汰にしたくないくせに、いかにも見つかりそうな場所にこういう告白手記を残そうというのは、完全に遺書で愛人や隠し子の存在を公表して妻や息子たちを混乱させ遺産分配をややこしくさせるクソ金持ちの遺書爆弾そのものである。なんでそんなやり逃げするような真似するのかと不思議であったが、本人的には自分の純愛を最後に世に示したという卑劣な恋愛脳であるのだと、今作を読んでよく理解できたとです。
そもそもこの不倫ホモカップル、本当に正妻であるリンダを舐めすぎですよな……別に結婚後に運命の恋をしてもいいけど、別にそのことで苦しむことなく妻を舐めすぎているのが気に食わないですよね……。ここまで舐めているとやっぱり作者自身が不倫略奪愛の人だから……と勘ぐりたくもなりますよね……。
あと本編でアムブラの学生たちを裏切って皆殺しにしたの、あれ「仲間だと思っていたのに『パロ聖王アルド・ナリス』ってみんなが云いだして、結局王族として見られていたのがショックだった。あれは裏切りだ」という心理だったんですか……? そのくだりは二十年前に一度読んだきりだったけど、あれ実際に王と呼ばれることによって自分の秘めていた野心を自覚するくだりじゃなかったんですか……? ショックを受けていたイメージはまるでなかったんですけど……学生を殺したの時期尚早だったからとかげの尻尾切りをしたという冷酷さのあらわれじゃなかったんですか……? わからない……薫がナリスをあどけない童女にしようとしすぎて本編の意味がまったくわからないよ……。
というわけで、やっぱり本編ファンはホモだからとかそういう以前の問題で読まない方がいい作品ですねこれは……。
『ヴァンパイア・サーガ4 庭園』
いつの間にか吸血鬼の仲間になっていたヘルシング教授は従者Xと庭でハメましたが射精は別の男の口でしました。伯爵はそれを全部見ていました。
舞台がベースにあるせいか、作品の流れがさっぱりわからないですね……vol.1と2で出てきたキャラがいつの間にかみんな吸血鬼の仲間になっています。伯爵とセックスするととてつもない快感で宇宙の真理的なものが見えた気持ちになるので離れられなくなるらしいです。完全にキメセク中毒にさせているセックス教団ですね。
基本的にジルベールもどきがカモーンカモーンといってヘルシング教授とハメるだけの話なので、特に感想はないですね。
ただ、ジルベールもどきに誘われたヘルシング教授が「こいつ美少年だけど性格悪そうだしタイプじゃないんだよなあ」と長々とぶつぶつ否定的なことを云った挙句、
だがその乳首は文句なしにオーケイだった。
というパワーワードを吐いておっぱじめたのはちょっと楽しかったですね。乳首がオーケイなら仕方ないね。
これ、なにげないコマの右下とかにつけるテンプレとして使えないですかね?「この後めちゃくちゃセックスした」みたいな感じで。「だがその乳首は文句なしにオーケイだった」って。誰か画像作って検証してください。
あとがきで今回はずっとベッドの上だったからお蔵出しになってしまったけど次回は普通のロマトモてでお会いしましょうと云っているが、結局このままずっと体調不良で逝ってしまうのが、不謹慎な読者としてもちょっと切ないですね……。
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