356 浪漫之友 3号

2005.10/天狼プロダクション

<電子書籍> 無

【評】 ―



● 

 栗本薫個人同人誌第三号。

『セルロイド・ブルース』『ヴァイス・トロピカル 第三回』『副長 第三回』収録。



『セルロイド・ブルース』

 雪広がヤクザにさらわれ、やつれていく克郎。そんな彼の気持ちを置き去りに、第三回目のゲイポルノビデオ撮影の段取りが進んでいく。だが、そこに警察があらわれバラバラ殺人事件被害者の身元を調べていると告げる――

『セルロイド・ヒーロー』シリーズの四話目。話がシリアスな方向へ進んでいって「え~、そっちなのお?」という気持ちになる。まああの滑ったコメディノリでずっと続くの辛いけど、そっちにいくのお……。克郎がやつれて細くなっていつもの受けっぽくなっていくし、いつお姫様化するのかと思うと不安しかないよぉ……。普通にいい奴である黒人ジェイクと結ばれることを祈るしかないよぉ……。


『ヴァイス・トロピカル 第三回』

 拾った美少年を洞窟に監禁したまま、放尿監視プレイしてチンの根本縛りプレイして異物挿入プレイしたら快楽落ちしてデレました。続く。

 え、デレるの!?監禁レイプしまくってたらデレちゃうの!?男性向けエロ漫画でよく見るあの展開になるの!?マジで!?

 しかしなぜ薫はAV業界ネタだと古臭いプレイしかしないのにこちらではえづきフェラだの放尿だのチンコ縛りだのわりかし最近の男性向けエロ業界で見るプレイをするのか……でも尻穴にバナナつっこんでそのバナナを食べたいというプレイは高度すぎてちょっとついていけないですね……あと先走り汁のことを「涙を流している」と表現していて「あ、ヤマジュンの漫画で見たやつだ!」って思いました。やっぱり薫のエロはヤマジュンなんだ……。


『副長 第三回』

 山南敬助を殺して上機嫌の土方は酔って島田魁に「あ、総司はいいよ。いろんな奴やり捨てして比べてみたけど総司のが一番名器だよ」「総司の初物は芹沢にとられちゃったんだけどそれ聞いて悔し勃起しちゃったんだよね」「おれ寝取られ属性あるから総司を誰かに抱かせるとチンコビンビン丸になっちゃうんだよね」「お前からだでかいからチンコでかいだろ?見してみ」「わ、マジでデカい。ちょっと触らせて」と変態セクハラ三昧をしました。


 ☆きんも~☆

 島田魁のキモさでぐいぐい攻めてきたところから一転、「真にキモいのは俺だ!」と土方さんのキモセクハラトークが炸裂。マジでキモすぎこの人。無口な島田を相手に周囲には隠していたことをついつい喋ってしまうという意外と隙の多いところや、島田が総司に惚れていると思いこんで嫌がらせにのろけるところなどは可愛げといえば可愛げだが、部下のプレイの内容詳しく話しすぎぃ!?御社のコンプライアンスどうなってんのぉ!?

 いやあ、想い人に勘違いされて別の人間への想いを聞かされるというのは、切なくも面白い状況であるはずなんだが、土方さんが寝取られックスの良さを熱く語りすぎて変な笑いしか出ないわ~。いやあ、気持ち悪い。キモい語りを聞きながら、聞いている方もキモい妄想で興奮しているというキモさの二重奏。これは栗本薫にしか書けない境地やでえ……!

 まあ、一話まるまるキモ語りだけで話がまったく進まなかったのはどうかと思うが、たいへんキモくて、良いかと思います。



 あとはエッセイのオススメの一冊コーナーで敢えて古い本ばかりを勧めているのだが、手塚治虫の『バンパイヤ』、三島由紀夫の『仮面の告白』(挙げておきながら色っぽくないから『奔馬』の方がいいとかいってる)は耳タコだからいいとしてジェイムズ・カークウッド『良き時悪しき時』、クリスタ・ウインスロー『制服の処女』というのは海外古典をまったく知らない自分は初耳だったので、心にとどめておこうと思った。『制服の処女』は映画版が1931年に撮られていて、監督・脚本・主演、全部女性ということで話題になった女学校寄宿舎百合ものらしい。映画のほうを探してみよっと。

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