267 夢幻戦記6 総司夢幻行

1999.04/ハルキ・ノベルス

<電子書籍> 無

【評】 うな


● また百億千億か


 次元の魔女プロセルピナの襲撃をかわし、高尾山にたどり着いた総司と斎藤一に、和尚は驚愕の事実を語る。だがそこへ総司をつけ狙うサキ・ローランドがあらわれ、二人の死闘は舞台を死の星へとうつす――


 設定のネタバレ巻である。

 唐突にあらわれた弥勒菩薩がこれまでの設定の謎を次から次へと教えてくれるという素晴らしいまでのデウス・エクス・マキナ。

 これによって、夢幻公子ルシファ、東海公子リーン、天帝ベルゼビュート、東海公子を狙うリーン、夢幻公子の犯した罪、騎士ケイルローン、夢幻戦士カイム、夢幻騎士エウリノーム、総司を狙うサキ・ローランドの正体、夢の世界で出会う少女まりあなどなど、これまでの五巻で出てきた謎のほとんどが氷解する。

 その結果として「結局また意識集合体かよ。《調整者》かよ。上位次元の存在の上に更なる上位次元かよ。お前の元ネタ『幼年期の終わり』と『百億の昼と千億の夜』ばっかだな!」という気分になるのである。


 基本的に新キャラの和尚と唐突に出てきた菩薩様がだらだらネタバレ解説するだけの巻で新撰組要素0なのだが、いろいろ判明するので、無内容だった3~5巻に比べるとずいぶんと楽しく読める。ぶっちゃけ1巻のあと6巻読んでもいいんじゃなかろうか。そしていろいろ判明したところで第一部完ということでここで読むのを読めてもいいのではなかろうか。

 いや、いろいろ設定が判明しちゃうと、やっぱり古臭いし特に面白そうではないんだよね……。でもまあ、うっかり読み始めてしまった人はこの巻までは読むのをオススメしますね。

 えーと、あとは特に書くようにこともないですね。とりあえず『百億の昼と千億の夜』読めばいいと思います。

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