258 夢幻戦記 3 総司斬月剣 上
1998.08/ハルキ・ノベルス
<電子書籍> 無
【評】うな
● ようやくなにかがはじまる予感
十七歳となった沖田総司は、自分の本当の場所はまったく別のどこかにあるのじゃないかという得体のしれぬ望郷に取り憑かれていた。そんなある日、奇妙な出で立ちの道場破りが試衛館にあらわれる。その男こそ、後の新撰組三番隊組長、斎藤一であった――
斎藤一の登場巻である。
そして山沖と思ったらやっぱり土沖、かと思ったら今度は斎沖のスタートである。この沖田・ビッチ・総司はハーレムでも築くつもりなのか。総てを司るとは「おれが総受けだ!」という宣言だったのであろうか。
時は『るろうに剣心』連載中ということもあって、作者の言葉では「いよいよ人気№1剣士も登場」と書かれている。が、今作の斎藤一は悪・即・斬ではないし牙突で空を飛んだりもしない。奇矯な格好をしているものの、いまいち捉えどころのない少年として登場している。
というのも、今作の斎藤一は会津藩の隠密なのだ。
なるほど、斎藤は新撰組時代にスパイをやっていたというが、そもそも新撰組に入る時点でよそのスパイという、ダブルスパイキャラなわけだ。
そんな斎藤の道場破りからはじまり(いや、お江戸スローライフ描写が長いからこの時点で三分の一終わってるんだけど)、総司が夢の中で暮らしている未来の長崎という謎めいた設定も出てきたし、清河八郎がこの時点で登場し、しかもロボットめいた人間味のない人物として描かれているなど、なにやら先の展開が面白くなりそうな布石もしている。ちゃんと今巻は仇討ちにきた青年を返り討ちにするというチャンバラシーンもあり、展開が遅いことを抜きにすれば、それなりに中身は詰まっている巻だ。
まだ身を乗り出すような派手なシーンや展開はないので面白い巻とは云えないが、様々な布石は打たれており、そろそろ物語が動きはじめそうな予感のあり「三巻もかけてようやくかよ」と思いつつも、今後に期待のもてそうな巻となっている。「斬月剣」とかいってまったく月を切ろうともしていないので、下巻に期待!
が、再読なのでぼくは知っている……この先もずっと「そろそろかな」「さすがにもうなんかあるだろ」「ようし、ここまできたら派手になるぞ」と何度も何度も期待するのに、いっこうになにも起こらないことを……。
不思議なんだよなあ……読んでる時はそれなりにストーリーが進んでいるような気もするのに、終わってみるとなにも進んでないんだもんなあ……。薫マジックだよ……。
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