「ダークソウル」

中世ダークファンタジーというジャンルで、和ゲーとは思えないほどの難易度と高いバランス調整で世界中のゲーマーを虜にし、当時まだ認知度の低かったフロムソフトウェアという社名を世界に轟かせた神ゲー、「デモンズソウル」。

今回は、そのデモンズソウルの系譜である「ソウルシリーズ」第2弾、そしてダクソシリーズ第一弾である「ダークソウル」について。



ストーリーは。

遥か昔。

古龍が支配する闇の時代に、最初の火がおこった。そしてその火に寄り添うに、どこからともなくたくさんのものが現れた。

その者たちはあるとき、火の中に光り輝く物体を見出す。のちに「王のソウル」と呼ばれる大いなる力だ。

太陽の王グウィン、最初の死者ニト、混沌の魔女イザリス、そして、誰も知らぬ少人。

彼らは王の力を手に、古龍たちに反逆した。

不死身の古龍たちとの戦いは、古龍の仲間であった白竜シースの裏切りにより、グウィンたちの勝利となった。

太陽の王グウィンのもと、火の時代が繁栄を迎える。


が、時は流れ、最初の火がかげり、世界に再び闇が訪れかけてきた。同時に、人々の中に呪われたダークリングが現れ、「不死人」と呼ばれる呪われた人間が現れる。

やがて考える機能を失った不死人の中から、誰彼構わず暴れる「亡者」が現れ、不死人は人間に疎まれ、「不死院」に幽閉されてしまうようになった。


が、不死人にはこんな言い伝えがあった。

選ばれた不死人だけが、不死院を出、神々の試練の地「ロードラン」に向かい、古い王たちの巡礼が許される、と。




神話を丸々ストーリーに仕立てたような作りだ。主人公はもちろん不死なのだが、ゲームとして「コンテニュー」と、物語上の不死を繋げるとこでシステムと物語に一致性を持たせたのは、個人的に好きな部分だ。


このゲームは非常に自由度の高いゲームだ。

登場するNPCは全員殺害可能、ロードランにいるボスたちも、倒しても倒さなくてもいいボスがたくさん。やり込み要素はたくさんだが、やるかはやらないかは自分次第。



ダークソウルは神話の舞台であるロードランを旅する物語なのだが、まず、世界を眺めて欲しい。シームレスで広大な世界が広がっており、リアリティあるグラフィックがとても綺麗だ。特にぼくが一番感動したのは、やはりアノール・ロンドだ。

あまりにも荘厳な風景に圧倒された人も多いだろう。


が、綺麗な画面はプレイヤーにとっていいことばかりではない。

ダークソウルはダークファンタジー、少々グロテスクな敵キャラが出てくることがある。リアルな画面でみるグロモンスターはなんとも……うん。

とりあえず、「最下層」と「病み村」というステージには注意して欲しい。



そしてダークソウルといったら、何と言ってもバトル。

リアルタイム式でシームレスの戦闘、多種多様な敵が主人公を襲ってくるが、その質は他のゲームと比べるべくもない。

ダークソウルにおいての雑魚出来は、他のゲームにおいてのボスであるという言葉があるぐらいだ。

基本的に、一対一の戦闘を想定された敵の作りなので、囲まれでもしたらもう終わり、死を覚悟しなければならない。

そして中には一対一でも主人公より強い雑魚敵も……


そしてダークソウルを象徴するシステム。

ダークソウルでは、敵を倒すとソウルという、お金と経験値上昇アイテムを兼ねたアイテムが手に入るのだが、敵に倒されると、その場にそのソウルを落としてしまう。

それだけではない。「篝火」というセーブポイントから落とした場所に行くまでの間、もしもう一度死んでしまえば、今まで集めたソウルは全て消え去ってしまう。

この鬼畜仕様に泣いたものも多いだろう。ぼくも時の涙をみた。


さらに言えば、ダークソウルの開発者は、プレイヤーを生かすことなんて少ししか考えてない。彼らはいかにフェアにプレイヤーを殺すことばかりを考えている。

罠や初見殺しなんて当たり前、ちょっとでも油断すれば即座に死が待っている。

プレイヤーに味方など一人もいないのだ。オフラインだと。



さて、ではなぜこんな鬼畜ゲーをやっているかというと。

実はこのゲーム、難しいは難しいが、「やれば必ずできる難易度」だ。

難しくするだけなら誰でもできる。が、ダークソウルの素晴らしいところは、完璧なバランス調整なのだ。どれだけ厳しくても、必ず活路はある。敵の攻撃パターンを見たり、ソウルを貯めて少しレベルを上げたり、装備を変えてみたり。

「この敵強い……けど頑張れば倒せそう」という印象の敵が多く、プレイヤーの闘志を燃やしてくれる。


次に、ダークソウルは最高に「ゲーム」なのだ。

無理だ無理だと思いながらも、諦めずに自分の力で敵を倒して行く。その過程で、いろいろなことがわかって行き、自分自身の腕前も成長する。そしてまた次の壁にぶち当たる。

極限の緊張感の中、考えて考えて、最善の道を自分で見つけ出す。そして、苦難を乗り越えた先に待つ極上の達成感。

ゲーム、とは正しくこれの繰り返し。ダークソウルは、昔ながらのゲームの醍醐味を持った今時珍しい作品なのだ。


どうか攻略サイトなどを見ないでプレイして欲しい。不格好でもいい、自分の力で道を進めるのだ。



さて、最後に批評を。

文句をつけるところは何もなし。

と、言いたいところだが、やっぱり気持ち悪い敵は少なめにしてもらえると助かります……


今までプレイしてきたゲームの中で一番楽しかった、と心から言えるゲームだ。幼いころ、一日中ゲームのことを考えていたことを思い出す。年を取ってから、これほどまでに熱中できるゲームはそうないだろう。


だから警告。

ダークソウルをプレイすると、一日中ずっとダークソウルのことばかり考えるようになるので、ご注意を。






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