「テトリス」

ゲーム最初期のゲームで、未だに売り上げがハンパじゃないゲームシリーズ。

簡単で、単純だが、最初に考えた奴は偉い奴だと思う。

天才とはそいつみたいな奴のことを言うのだろう。


さて、なぜぼくが今回テトリスを選んだかと言うと。

ぼくはいま、バカみたいにテトリスにハマってる。友人からテトリス中毒だと言われるほどに。


ちょっと時間が空くとスマホを開き、テトリスをやっているぼくガイル。

そしてそのまま時間が流れ、暇が終わってスマホをポッケにしまう。


頭の中ではいつも、どのブロックが落ちてきたら次にどのブロックが来て欲しいか、定石の研究などがごく自然に行われている。

完全に中毒患者だ。さすがにテトリスやってなくて手は震えないけど。


それほどまでに人を惹きつける、魔力のようなものがあるのだ。テトリスには。

焦りと動揺、そしてそれを乗り越えたときの快感。ゲームとはかくあるべし、が詰まっている。


が、そんなぼくのテトリス生活に、最近一つ問題が生じた。

終わらないのだ。ぼくが上手くなりすぎて、どれだけやっても終わらないのだ。


すでにポイントは三億ポイントを超えた。

いろいろハンデを自分に課してはみるも、そのどれもを指が勝手に乗り越えてしまう。


累計時間は、かれこれ数時間以上だろう。もしかしたら10時間以上いっているかもしれない。

それでもまだまだ終わらない。

テトリスというのは終わるときはあっさり終わるゲームだが、なぜか終わらない。


ぼくは一体いつまであの四つのブロックの集合体に悩ませ続けられるのだろう。

べつに不安は感じなかった。

ちゃんと指がぼくを導いてくれる。ぼくは、ためらうことなく、どこまでもただ歩きつづけていればよかった。

他にやるアプリゲームがなければ、迷うこともない。

ぼくは、嫌になるほど自由だった。


(HAPPY END……?)


(「鞄」 著: 安部公房引用)

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