「ファイナルファンタジー8」
今月長年にわたって開発され続けてきた新作が発売し、この「8」の前作である「7」も、ついにリメイクが決定した世界的RPGシリーズ、「ファイナルファンタジー」。
今回はそのシリーズの中から、ぼくが1番「好きな」作品である、「ファイナルファンタジー8」を紹介します。
ここで大事なのは、1番「面白い」ではなく、「好きな」であるということ。
では簡単なあらすじを。
世界に名を轟かす傭兵集団「
優等生のスコールはSeeDになるための試験に挑戦し、その過程で、とある戦場に出向き、様々な仲間たちに出会う。
スコールをライバル視する永遠の「SeeD候補生」、「サイファー・アルマシー」。
見た目に反して物知りの「ゼル・ディン」。
なぜかパンツが見えない天然転校生「セルフィ・ティルミット」。
壁とお友達の先生「キスティス・トゥリープ」。
仲間たちはスコールとの交流を求めてくるが、とある事情から他人との交流を拒むスコールは、あえて孤高の道を選ぶ。
そして、ついにSeeDになったスコールは、嫌がりながらもガーデンが主催するパーティーに参加する。そこでスコールは不思議な少女、「リノア・ハーティリー」と出会う……
うーん、ネタバレを極力避けたいからこれ以上は言い難いなぁ……では、魅了の方を。
まずグラフィック。
今となっては比べるべくもないが、当時の最高峰のグラフィックで送られるムービーは圧巻。こんなことを言うと擁護厨みたいだが、「安心するグラフィック」なのだ。美麗なグラフィックで描かれる美しい世界に魅了され、ムービーが流れるのを楽しみにしながらプレイしたものだ。
そして世界観。
これはぼくの主観なのだが、「8」の世界観はとてつもなくぼく好みなのだ。傭兵育成学校、「魔女」、「レジスタンス」、「独裁国家」……「7」からの流れである「中世ファンタジーと機械化の融合」の流れを踏襲した、近代化とファンタジーの間の世界観がとても好きなの、ぼく。
それに加えて設定。
細かいところまでつまれた設定が随所に散りばめられ、このゲームを楽しもうとすればするほど魅力が溢れてくる。世界観に没入すればするほど、このゲームがおそろしく細かい伏線と裏設定のもとで作られたことがわかるだろう。なんてことないNPCとの会話が、ストーリーの根幹に迫る伏線であったり、結局最後まで明かされないが考察すればそうとしか思えない演出など。
考察すれば考察するほど楽しいゲームである。初プレイでは、メモを取りながら進めるのも楽しいかも。
そしてストーリー。
孤高の少年スコールの一人称で語られるストーリー。一見いけ好かない奴にも見えがちなスコールだが、彼の行動には全て理由がある。それに、必要もなしに周囲に迷惑をかけることもしない。最初、ぼくは好感の持てる主人公だと思った。
しかし、スコールの魅力はぼくの想像をはるかに超えていた。
傭兵というプレイヤーから遠く離れた身の上であるスコールなのだが、彼が抱える悩み、そして出くわす状況は、現実の世界でもよくあることがたくさん。口数が少ないことで誤解されたり、子どものお遊びに仕事で付き合わされたり、正論を言って嫌われたり……
あまりに感情移入し過ぎて、ぼくは途中、とあるキャラクターが少し嫌いになっていたかも。
そんなスコールはSeeDとして様々な事件に巻き込まれていくのだが、その事件全てに無駄がない。メインストーリーしかり、サブイベントもストーリーに関係している。
ほんと、ここもたっぷり話したいんだけどなぁ……ネタバレしちゃいそうで怖いよ。
バトルシステム。
「ジャンクションシステム」という、前作の「マテリアシステム」から進化したバトルシステムが特徴的。GF(ガーディアン・フォース。FFシリーズでいう召喚獣)をジャンクション、つまりキャラクターに憑依させることにより、通常では引き出せないような強大な力を手に入れる。
GFをジャンクションしたものは、さらに「魔法」をジャンクションすることも可能。魔法を、各ステータスにジャンクションすることで、ステータスの強化が可能なのだ(力が10だったものが、魔法をジャンクションすることで20になったり)。
魔法は個数制、敵から奪ったりある特定の場所で回収できたり、アイテムから作り出せたり、様々な取得方法が存在する。ジャンクションを制するものが、「8」を制すると言えるだろう。
さらにFF定番のミニゲーム。
今作でもミニゲームはたくさんあるが、中でもカードゲームはオススメ。わかりやすい基本システムに加え、地域によって様々なローカルルールが存在し、スリリングなバトルを楽しめる。
だがランダムハンド、お前は別だ。
さて、大体良いところは話したので悪いところを。
まず、「8」で1番評判が悪い、バトルシステムから。ジャンクションシステムは確かに挑戦的で面白いシステムだか、少々手続きが面倒くさいのだ。戦闘キャラクターが変わるたびにジャンクションをし直さなくてはならないので、厳選すると結構時間がかかる。
個人的には、ストーリーにも大きな関わりを持つジャンクションシステムはとても面白かったが……時は金なり、面倒な部分はできるだけ短い方がいい。
そして次にストーリーでも少し。
先ほどぼくが絶賛したストーリーだが、少しだけ疑問が残る部分がある。
それは、Disc2とDisc3で、スコールのとある人物に対する態度が大きく変わることだ。
Disc2までつっけんどんだったスコールが、Disc3ではそのキャラクターのことを心配してやまないというご様子。正直、初プレイ時は面食らった。
さらに言えば、エンディングのとあるシーンにも疑問が。これは言ったら完全にネタバレなので伏せるが、なぜこのキャラがこんなところに……? と、思うシーンがあった。お前さっきまであそこで……いや、やめておこう。
全体的に言えば、このゲーム、説明不足なのだ。ストーリーは最高に素晴らしいのに、あまりに説明不足なのだ。バトルシステムも説明が少なく、最初、どんな風にプレイすればいいかわからなかった。
あえて考察をプレイヤーに任せる部分が多く、そんな部分はこのゲームの魅力に繋がっているのだが、バトルシステムとかそんなところは、もっと説明してくれてもいいだろうに。
さらに、ゲームバランスも。
このゲーム、FFシリーズの中でもそれなりに難易度が高い。敵キャラは、戦闘メンバーのレベルの平均値に設定され、レベル上げによる力の底上げにあまり意味はない。むしろ、レベルを上げ過ぎれば苦労することになるだろう。
それだけなら良かったのだが、このゲームはある方法を使うことで、一気に強くならことができる。別に裏技でもバグでもない、公式の方法だ。ちょっとした作業に成るだろうが、大きな戦力アップになる。その方法を知る者からすれば、「8」はヌルゲーになるぐらいに。
このように、ちょっとした不備があるため、ぼくは「8」を1番面白いとは言えないのだ。1番好きなのだ。その代わり、特に作業をすることなく、ストーリーが進む速度と同じぐらいにゲームを楽しむと、「8」のバトルバランスはそう可笑しなものではないことは約束しよう。
さて、まだまだ話し足りないがこれくらいにしておこう。
「7」と違い、「8」は様々なことに挑戦したゲームといえよう。世界的RPGであるにも関わらず、ストーリーは決して王道だらけの展開ではない。権力を狙うもの、金に溺れる者、そんな奴らにつけ込まれた愚か者。FFシリーズの枠を超えるほど、ストーリーは独創的だ。
しかしそれ故に「8」は、ぼくの心に大きく響いたのだ。これだけストーリーと世界観を好きになったRPGは、後にも先にも「8」だけだろう。バトルシステムも個人的にはツボだ。
だからスクエニさん。
「7」のリメイクの後でもよろしいので。「8」のリメイクを、お、お願いできないでしょうか……?
ぼく、初回限定版を10個は買いますので……どうか……
「8」はプレイステーションより発売のゲーム。プレイステーションもしくはPS2(プレイステーション用のメモリーカードが必要)、初代PS3でプレイ可能。ゲームアーカイブスを利用すれば、そこからでもダウンロードできるだろう。珠玉の作品なので、是非とも。
最後に。
「8」は愛の物語である。恋愛であったり、友愛であったり、家族愛であったり……様々な愛の物語なのだ。
愛を感じて欲しい。
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