おわりに
本書の目的と願い
私、天邪鬼が本書を書こうと思ったきっかけは、周囲に何人か、クリティカルシンキングを誤解されている方がいらっしゃったからです。
まぁつまり、押し付け的老婆心的啓蒙思想によるものですね。お前何様だよって…はい、重々承知しております。
本文中、コロコロと変わる口調を鬱陶しく感じた読者の方もいらっしゃったことと思います。なるべくリズミカルに、飽きないように読んでいただけるよう、敢えてあのような筆致を選びました。
嘘です、わりと勢いで書きました。楽しんでいただけたことを願います。
さて、最後に私から御願いがございます。
本書はクリティカルリーディングを推奨するものですが、強要するものではありません。
「トマトってお肌に良いんだって!」
「根拠は?ソースは?いつどこでだれがどんな形式で発表した論文?」
こんなことしてたら、会話なんて楽しめたものではありませんよね。
あくまで、デマに惑わされないために、何か本当に必要な情報を探すときに役立てるべきスキルですから、決してクリティカルリーディングであなたの思考をがんじがらめにはしないでください。楽しいのが一番です。
ただ学生のみなさまはお気をつけください。北米の論文では引用文ごとに「いつ、だれが」を書くのは当たり前のことですし、必ず参考文献のページを設けます。厳しいようですが、「いつどこでだれが」が本当に要求されます。これは「マナー」というよりむしろ「ルール」です。
ここは日本ですから、北米のルールに従わなくてはならない道理などもちろんありません。ですが、その考え方は尊重すべきものであり、北米のルールだからというのではなく、その姿勢を見習って、私は日本人もこのルールに従って然るべきだと思っております。
また、本書ではクリティカルを「客観的に、論理的に、注意深く」と意訳しましたが、本来の"critical"という単語の訳はやはり「批判的」で間違いありません。本書はクリティカルリーディングという言葉の意味をなるべく読者の方に分かりやすく伝えるために文法的厳密性には拘りませんでした。従って、"critical"という単語がイコールで「客観的に、論理的に、注意深く」という意味になるわけではありませんから、誤解の無きよう、御留意いただければと思います。
最後に、本書を読んでいただいた読者のみなさま、本当にありがとうございました。
さて、最後の最後の最後に、みなさまに一つだけ、疑問を投げ掛けて終わりにさせていただきたいと思います。
本書は、2016年11月8日、カクヨムというサイトにて発表されたものです。学術論文ではありません。査評も受けておりません。著者は年齢・性別ともに不詳の天邪鬼、宣伝などの目的は無く、クリティカルリーディングの紹介を目的として書かれました。著者が学んできた知識を元に書いたものであり、参考文献はありません。
さて、本書は信用に値しますか?
2016年11月8日
天邪鬼
※最終更新日: 2016年11月21日
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