第2話 LNC

 謎の女の子に連れられ雨の街を歩く本当の意味で名も無き自分に、ずっと自問自答を繰り返していた。答えなんて出るわけない。


 「ついたよ。ここ」

 目の前には大きなビルがあった、

 ここは貿易会社のようだ、


 …騙されたか。


「ここ?」


「そうだよ!!」


「…でもここって貿易会社、」

「いいの!前に進むんでしょ?後戻りは出来ないよ!!君は一方通行の船に乗ったんだからさ」


「一方通行の船か、、、」

 もう戻れない、戻る場所もない。


 進むしかないのか。


 中に入ると受付の女性がいた。


さんお帰りなさい!!」と受付の女性がいう。

「ただいまー」と謎の女の子が言う。


 ナナ?名前あるのか。

名無しじゃない、結局騙されて、、、もうそんなんどうだっていい。こんな状況で理解しようとしても軽く理解なんか飛び越えて来やがる。


「はい、エレベーター乗って!地下2階だよ!」


「ついた。ここがLNCの集まってる場所だよ!」

広い空間、枝分かれするようにいくつかの扉がある。


その広い空間の真ん中には一人車イスに座った、男がいた。

誰だ?


「イチくん!連れてきたよ。」と走っていく。

「あぁ、ナナありがとう、ようこそ8人目のLNC。」

俺と年は変わらない、顔は整ってる、でも少し顔が白い。


「君は?」と車椅子男に疑問をぶつける。


「ごめんね、自己紹介が遅れた。僕はイチ、みんな僕のことをファーストと呼ぶけどね。」


「ナナ、君はまだ自己紹介してないんだろう?今しなよ。」


「あっ、忘れてた。私はね、ナナ!!みんなナナちゃんて呼ぶけど好きに呼んで。」

…二人とも高校生だろうか?


 「そうだよ、僕たちは君と同じ。学校に通っていれば、高校三年生だね。」


「…えっ?今。」

 「あぁ、ごめんね。僕は相手の考えがわかるんだ。まぁ制限はあるけどね。」


「心を読める…?」

そんなことあるわけ無い


 「そうだね、普通に考えればあり得ない。でも君は今あり得ないことの中に巻きこまれてるんだろ?あり得ないことがあると言う事が今一番あり得ないんだよ。」


あり得ないが一番あり得ないか。

どうせまた俺の思考を軽く飛び越えて行くんだろう、もう俺は常識を捨てる。



 するとイチが笑いながらこちらに話しかけてくる。

 「いい心構えだ!教えてあげよう、LNCと名無しについて!!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る