第2話 アウトソーシング
片付けが苦手な僕が人間らしい生活をするために、
清掃問題の解決は急務でした。
掃除や洗濯・ゴミ出し、
炊事と違い生命維持に直結しない家事は全くやる気が起きず、
最終的にこれらの業務を外部に委託することにしたのです。
最近の言葉で言えば「アウトソーシング」というものでしょうか。
折しも、仕事で外注先管理に慣れていた僕にとって、
プライベート生活においても自分ができないことを外部に出すということは、
何ら抵抗感のないごくごく自然な行為でした。
1回3時間で9,000円。週1回として月36,000円。
これが僕がこの家で人間性を取り戻すための対価でした。
たった週1回ではありましたが、
足の踏み場が無くなるまでリビングに脱ぎ捨てられる洋服、
取り込みが面倒で1ケ月以上ベランダで放置されるバスタオル、
まさにゴミ屋敷予備軍といっても過言ではなかった僕の家はみるみるうちに改善していきました。
部屋が綺麗なると、自然と少しはそれを維持したくなるもので、
これまでリビングに脱ぎ捨てていた衣服も洗濯待ち段ボールにまとめる
程度の能力を身につけることができました。
単に業務を委託するだけではなく、
納品物を見て自らの業務改善に役立てる、
これも仕事での外注先管理の経験がプライベートに
役立っている根拠だと自負しています。
さて、家事業務のアウトソーシングという方法で
劇的な改善を魅せた僕の私生活。
けれども、この解決策では解決できない大きな二つの問題に
この後僕は直面することになるのです。
僕が女子高生とルームシェアをはじめた話をしよう のばた くりと @nuracom
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