6話:剣術

俺が異世界に転生してから6年の時が経とうとしていた。


「あれ?ルークそういえばもうそろそろ6歳じゃないか?」


「はい。そうですよ父さん明日で6歳です。」


「そっか~時が経つのは早いね~」


「何おばあさんみたいな事言ってんだセナ」


「サークはすぐそうやって馬鹿にするんだから・・・」


「はははすまんすまん。そうかもう6歳か。」


「よしルーク明日昼になったら庭に来い。剣術を教えてやろう。」


「ありがとうございます。父さんに剣術を教えてもらうのが夢でしたから」


「そうか?もっと早く教えても良かったんだがジュールは6歳の頃だったから

 やっぱり贔屓はよくないからな」


「父さん俺は?ルークと一緒に修行するの?」


「ああジュールは明日は休んでいいぞ。ルークに基本を教えるから」


「わかったよ父さんじゃあ明日は遊びに行こっかな~」


「よしジュール庭にでろ!修行だ。」


「えっ?まだ9時じゃん・・・いつもは昼からなのにどうしたの?」


「お前明日修行ないだろ?。だから今日たくさんやる!」


「わかったよ~・・・」


ガチャ

バタン

「よし。母さんなんか手伝うことありますか?」


「ううん。今は特にないかな」


「そうですか。じゃあ俺は部屋に戻ってますね」


「うん。じゃあ昼ご飯の時に呼びに行くから」


「はい。」




_____________________________________

「ふー・・・」


「ついに明日か・・・」


「俺はこの時を待っていた!」


「やっと剣術を習えるのか~。今から楽しみだな。」


やあみんな!こうやって話すのは6年ぶりかな?

とりあえず家族の情報の更新をしようか。


ルーク・ロビュン

年齢:6歳

性格:冷静

剣術:見習いになる。

一人称:俺

説明:異世界から転生してきた。物語の主人公である。

   最初はこの世界の事を何もわかってなかったが、

   最近は本などで情報を集める毎日を送っている。


ジュール・ロビュン

年齢:11歳

性格:温厚

剣術:上級クラス

一人称:俺

説明:ルークの実の兄である。相手の目を見ることで

   考えてることがわかる念思という特殊能力をもっている。

   この能力をつかってルークが1歳の時からルークと喋っていた。

   あとこの五年で一番性格変わったな。


セナ・ロビュン

年齢:27歳

性格:超温厚

魔術:達人クラス

一人称:私

説明:とても可愛い。セナもジュールと同じ念思の特殊能力をもっている。

   魔法の達人クラスで、セナが放つ本気の火系魔法は

   街を一つ燃やし尽くす事ができると言われている(本人談)


サーク・ロビュン

年齢:28歳

性格:明るい

剣術:達人クラス

一人称:俺

説明:彼がよく家族に話す若い頃の武勇伝の中でも一番すごいと思ったのは、

   1人で100以上の魔物を倒したという話である。最初は絶対嘘だと思ったが

   烈剣を使えばいけるか・・・。

   ちなみに烈剣とは達人クラスの剣士だけが使える奥義である。

   10メートル以内に入った敵を音速で切るチート技である。

   



こんな感じだな。この5年間この世界のことについて調べ上げた。

今はもうほとんどのことは分かるようになってきた。

とりあえず今日はロビュン家が住んでいる村のことだな

えーと俺らがすんでる村はガツヤ村って言って、11年前までは

人口50人程度の村だったんだけど、父さんと母さんがここで家を買ってから

一気に人口が増えて今は200人位いるのかな?

今でも父さんに会いに冒険者が来るから、どんどん増えてるんだろう。

俺はこの家を出たことが無いからどういう感じの村なのか分からないんだよな

別に出たくないとかじゃなくて父さんに6歳になるまで出るなって

言われてたからなんだよ。少し過保護だと思うんだがな。

まあ6歳になったら出ていいって言われてたから、それもあって

明日がすごく楽しみなんだ。家の中じゃ調べるにしても限界があるからさ。


「よしこんな感じか。久しぶりだから疲れたな・・・」

「うーん。はやくあしたにならないかな~」




_____________________________________

1日後~

ついに来たか。やっと父さんに剣術を教えてもらえる。

これまで長かったな異世界に来ても今までは調べてばっかりだったからな。

やっと剣を使える!

「よし。いくか!」


「ルーク!」

庭に出ていこうとするルークをジュールが呼び止める


「兄さん?どうしたんですか?」


「その・・・早く上級に上がってこい!俺もお前と早く戦いたいからな」

「任してくださいよ。すぐに兄さんを抜かしますから。」


「ふっやれるもんならやってみろ」


「では、行ってきます」


「おう!」


兄さんすげえ性格変わったよな・・・普通こんな変わるか?

まあいいや。早く兄さんと同じ上級にならないとな

俺と戦いたいらしいし。


「ルーク。来たか」


「はい。来ました剣術を教えてくれるんですよね?」


「ああ。これを使え」

サークがルークに木刀を投げる


「これは・・・?俺の剣ですか?」


「そうだ。大事にしろよ」


「もちろんです。それで最初は何をすれば?やっぱり走るんですか?」


「まあそれも大事だが・・・」

剣を構えるサーク


「とりあえず俺の剣を10回避けるか、剣で守れ。それが出来たら

 剣術を教えてやる。」


「えーと・・・俺まだ剣ふったこともないんですが」


「大丈夫お前は俺の息子だ。それぐらいできないでどうする?」


「じゃあ行くぞ!」


「なっ!?」


突然の殺気にビビり後ろに飛ぶルーク

避けきれずサークの木刀がほほをかすめる


「くっ!?」


「まずは1回目だな。あと木刀と言ってもあたったら普通に骨が折れるからな?」

ルークの肩めがけて軽く剣を振る


こいつ頭おかしいんじゃないか!?

こんなのよけれるわけ・・・


ガンッ

サークが振った剣がルークの貧弱な肩に当たる


「なっ!?」


「ギリギリ折れては無いようだな。立て。 あと、少しは考えろ

 外に出たこともないお前がよけれるわけないだろ?」


そっそうだ。避けようとしちゃダメだ。剣があるんだから

剣でガードすれば・・・


「作戦は考えたか?行くぞ」


父さんが振ってきたら剣でガードを・・・


サークの剣が手の甲にあたる

ルークは思わず握りしめていた剣を落としてしまう


「痛っ!?」


「まだまだ行くぞ。後5時間は続けるからな。」


「くそ・・・どうすれば」


バキッ

「ほらほら頑張れ。なんとかしないと、ボロボロになるぞ?」


やばい。殺される・・・どうしたらいいんだ

避けようとしてもダメだ。向こうの剣の方が圧倒的に速い

そうなると剣でガードするしかない

でも俺にできるか?いやできない。落ち着け考えろ

今俺にできることを考えるんだ。

よける事はできない。ガードもできない。それなら・・・


「ほらほら。避けろ避けろ10回避けるかガードするだけでいいんだぞ?」


「ふー・・・。分かりました父さん行きます」


決意を固めた表情で剣を構えるルーク


「何か考えたか?まあ頑張れ。行くぞ」


ルークの肩に力をこめた剣を振る

バキッ




ルークは・・・構えたまま


「なにっ!?」


「うおおおおおおおおおお!」


ルークが出せる力のすべてをこめた剣がサークにあた・・・

「早剣」


ガキッ

通常の2倍の速さになった剣がルークの頭に直撃する

思わずその場に倒れこむルーク


「おい!ルーク!すまん大丈夫か!?」

頭から血を流しているルークを抱き抱える


「ルーク!ルーク!」

呼びかけても目を覚まさない


「まずいぞ・・・セナ!セナ!」


「なに?サークっ・・・どうしたのルーク!?大丈夫?」

ルークの側に駆け寄るセナ


「何があったの!?」

「少しやりすぎた・・・治せるか!?」


「とりあえず寝室に運んで!」


「あっああ・・・」



_____________________________________

「んっ・・・あれ?俺なにして・・・」


「ルーク!大丈夫!?」


「母さん?大丈夫ですけど、あっそうだ俺父さんと修行してて」


「セナ、リビングにいっててくれ」


「えっ?ああわかった。ちゃんと謝ってね・・・?」


「ああ」


ガチャ

バタン




「ルーク!本当にすまなかった!」

ルークに土下座をするサーク


「ちょっ!?父さんやめてください。俺が悪いんですから」


「いや俺が悪い。今回俺はお前に厳しく教えようと思った」


「お前が強くなるなら嫌われてもいいと思っていた。

 それに今回は俺に怒りを覚えてもらうためにあんなやり方をしたんだ」


「作戦ではお前を軽く傷つけるつもりだったんだ。なのにこんな・・・」


「いいから顔を上げてください。俺が攻撃したのが悪いんですから」


「あれはびっくりした。早剣を使わなかったら負けていた」


「あそこは素直に負けるべきだった。それが親のやり方だ。

 なのにおれは剣士としてのプライドを優先してしまったんだ」


「本当にすまなかった・・・」


「許すも何を怒ってませんから。」


「本当にありがとう・・・俺にできることならなんだってする。

 それぐらいしないと償いきれない。」


「ああじゃあ、剣術を教えてください」


「えっ?そんなことでいいのか?」


「はい。正直あのままやってたらいつまで経っても10回よけれる気がしないので」


「わっわかった。俺が責任を持ってお前に剣を教えよう」


「ありがとうございます。おれはもう寝るので。」


「ああ。お休み。修行は1週間後だ。ゆっくり休みなさい」


「今日は本当にすまなかった」


「あっあと今日のことはもう忘れてください

 本当になんとも思っていないので」


「お前は、本当に優しいな・・・じゃあお休み」


ガチャ

バタン




まあ色々あったけど、来週から頑張るか・・・

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