第45話 ロリっ娘 魔王2

「おいライム!ここはどんなことをする場所なんだ?」

 そういってヴァネッサはハーブ園にズカズカと入っていく!

「おいこら、ちょっと待て!」

 そういってヴァネッサの首根っこを掴みビニールハウスの外に引きずり出す。


「まさかとは思うけど、この文字が読めなかったなんて事は無いよな?」

 そういって看板を指差すとヴァネッサは

「何を言うか!妾はきちんと読めるぞ!えぇ~っと・・・、細菌を持ち込まないようにアルコールで除菌をしてからビニールハウスに入りましょう。どうだ読めただろ!」


「読めたのならなぜしない?」

 そうヴァネッサに聞くとヴァネッサはドヤ顔で

「妾は汚くない、むしろ神聖だから清いだろ」

 そんなことを言ってくる。


 おいこら、そう言う問題じゃ無いんだよ!

 ドヤ顔をしてるヴァネッサにイラッとしたので後ろに回り込み頭を拳で挟みグリグリをする。


「そう言う問題じゃ無いんだよ!お前は綺麗かもしれないけど靴の裏とか服に付いてる細菌を落とすためなんだよ💢」

 そういいながらヴァネッサのコメカミ辺りをグリグリする。

「痛い!痛い、痛い!何をするのじゃ!」

 

 そういって俺のグリグリから脱出すると、まるで猫が威嚇をするかのように『フシャー』といって涙目で俺を見つめてきた。

「大丈夫ですか・・・(笑)お嬢様!」

 上手く誤魔化しているつもりなのかもしれないが誤魔化せてないからな!普通に笑ってるからな!


 ビニールハウスの外でそんなことをしていると中からリアが顔を出してこちらを見つめてくる。

「お兄ちゃんどうしたの?お客さん?」

 不思議そうにリアが尋ねてくるとリアを見たヴァネッサが驚いた様な声で

「なんでこんなところに亜人種の中でも他の種族と関わりを持たないエルフがいるんだ?珍しいじゃないか!」


 そういってリアの元に駆け寄り、じーっとリアを見つめる。

「お、お兄ちゃん・・・。なんで私は見つめられてるの?」

 リアは少し困惑していて『助けて』と目線を送ってくる。

「ほらヴァネッサ、リアが困ってるから!少し離れて」

 そういってヴァネッサをリアから離すと


「すごいなライム!この町には亜人種、魔人種、そしてヒューマン全ての種族が手を取り合って生きている・・・なんでこんな町になったんだ?」

 そういって隣にいる俺を見上げてウルウルした瞳で見つめてくる。

「分かったよ、教えるからそんな捨てられた子犬みたいな目で見つめてくるなよ・・・。簡潔に話すぞ」

 

 そういってヴァネッサとマリアさんを見るとマリアさんがヴァネッサの耳元で

「ほら、私の言った通りでしょ!ヒューマンは、ああいうウルウルした女の子の瞳に弱いんですよ!あのヒューマン、きっとお嬢様のこと好きになっちゃいましたよ🎵チョロいですね🎵」


 俺は笑顔でマリアさんの後ろに回り込み拳でコメカミを挟みこみ全力でグリグリする。

「お前いい加減にしろよ!お前が変なことを教えるから、そのまま鵜呑みにしてるだろうが!教えるならもっとまともなことを教えろよ!」


 そういってグリグリをするとマリアさんは

「痛い!痛いから!こうなったら魔法で・・・。忘れてた封印されてるんだった・・・。だったら実力行使だ・・・。嘘、なんで魔人種の私がヒューマンのあんたに抑えこまれるの?」

 たぶんそれはステータス補正だろう、ちなみに今のステータスはこんな感じだ!


【名前】ライム(須藤 檸檬)【性別】男

【年齢】17歳【ジョブ】冒険者【種族】ヒューマン

【スキル】意志疎通 弓術 薬剤調合師 基礎魔法 魅力 罠師 封印 限界突破 耕作 採石師 

ダウナー 交渉術 狩猟  

【基礎能力】

 力【A+】俊敏【SSS】耐久性【B】

 器用さ【SSS】運【SSS】魔力【A+】


 基礎能力でSS+が2つ出現したら限界突破と言うスキルが発現した、あとは特に難しい条件のスキルではなく普通に生活をしているうちに身に付いた。

 確かに限界突破とか我ながら結構スゴいスキルを手に入れたなと思う、このスキルがあるおかげで基礎能力の上限がなくなったのだから、本来ならSS+で上限いっぱいだったのにSSSになって表示はそのままだが確実に最初の頃のSSSより良くなっている。


「痛いです!もうしないのでお願いです許してください(T_T)もう本当に痛いです~、ごめんなさい!許して~!!」

 おっと、ステータスを見て考え事をしていたせいでグリグリを止めるのを忘れてた・・・。ヤバっ、泣き出しちゃってるよ・・・。


「ごめん、大丈夫か?やり過ぎた申し訳ない」

 そういって頭を下げて持っていたハンカチで涙を拭いてやると

「フッフッフッ!騙されましたね!やっぱりコイツはチョロいです!女の涙で騙されるなんてチョロ過ぎます!今日はこのへんにしておいてやります!」


 いや、君ガチ泣きしてたけどね・・・。今も目の周り腫れぼったくなってるし・・・。まぁいいか、たぶんツッコンだら負けだ・・・。

 すると俺と2人のやり取りを見ていたリアが耳元に近づいてきて

「お兄ちゃん、大人げないよ💢もう少し大人になってあげなくちゃ!しっかりしてよね🎵」


『えっ、俺が悪いの?』

 そんな疑問を抱きながら彼女たちの家を建てるために今もリザードマン兄弟とアルの家を建設中の大工の棟梁達のもとへ向かう。


「お嬢様、お嬢様!アイツなかなかやります!魔力を封じられてる私たちは1人の無力な女性です!きっとあの性欲魔神はそんな私たちを無理矢理押さえ込んで性欲の捌け口にするつもりです!お嬢様の事は私がこの身体をはってお守りするので何かされそうになったら迷わず叫んでください!」


 そんなことを世間知らずのヴァネッサに言っている。

「そっ、そうなのか?妾は無理矢理犯されてしまうのか!?嫌じゃ!妾の初めては好いた男に捧げると決めたのじゃ!絶対に嫌じゃ!」

 ・・・いや、しねぇ~よ!俺は既に既婚者だしモニカ以外にそんなことをするつもり無いからな!その前に何であのメイドはあんなホラばかり言うんだよ!


 殺気を全開にして後ろを振り向き微笑みかけ

「おいこら、ちょっと面貸せ💢」

 そういってマリアさんに手招きをすると

「やっ、止めろ!マリアは大事なメイドだ身重をするわけにはいかないだからお前の性欲の捌け口にするな!するなら妾にしろ!」

 ブルブル震えながらヴァネッサがこちらを睨みつけてくる。


「だ~か~ら~!何でもかんでも鵜呑みにするなぁ~!俺は既に既婚者だ!勝手に人を性欲魔神にするな💢!」

 2人はキョトンとして目をパチクリさせていた。

 まったく💢いい迷惑だ!

 それから2人を(特に人を性欲魔神にしたマリアさんを重点的に)グリグリして反省させて棟梁と家の話をして彼女達はこの町に2階建てのお屋敷を建てて住むことになった。


 一部始終を見ていたリアから『お兄ちゃんの性欲魔神』と少しのあいだ、からかわれる事になった・・・。

 あの2人はまったく・・・。

 これから騒がしくなりそうだ・・・。

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