2.うさ子

クリスマスの夜、自室で一人、勉強をしている女子高生がいる。


澤井うさ子、18才。

わきには何冊もの参考書が積まれているが、

どうやら、うさ子は勉強をしているのではなかった。

新聞を見ながら、ノートに熱心に書き込みをしている。


しばらくして、夕食に呼ばれたうさ子は、ノートを閉じ、

部屋を出て行った。


テーブルの上には、一冊の白いノートが置かれている。


タイトルは「 USI NOTE 」


ノートを開くと、銀色の小さな文字で、


How to use it

“ The human whose name is written in this note will be a USI within a few days.”

から始まり、数ページにわたる説明文が、びっしりと書かれている。


そして、そのあとのページには、うさ子自身の文字で、たくさんの名前が書きこまれていた。


       そう。 それは、失踪した容疑者たちの名前だった。

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