閑話788・『きくたおとし2』

きづけばおれはおれになっていた、そうだよ。


きくたがぜんぶぜんぶわるいのに。


――良い事だね、その通り。


「おれだけこんな」


こんなふうにきょうもきらわれてさされておいしくたべて。


でもおなかにあなあいたからでちゃうし、たべたえるふにく。


「こまった」


くってもこれではおなかがふくれない。


ぺちゃんこのままだ、ちなみにこれもきくたがわるい。


「ばぁかばぁか」


きくたのばぁか。


きくたのあほんだら。


きくただいすき。


いたい。


「どっちがいたい」


さされたおなかがいたいのか。


なんともないむねがいたいのか。


すてたくせに。


すてたのに。


―――許しちゃダメ。


「すてたのにおれにすかれてるくせに」


うらんでいるのか。


にくんでいるのか。


~のか、はぎもんとよそうでしかない。


「あ」


ほんにんにきくゆうきはない。


きこうともおもわない。


もうおれのいちぶ。


「にがさない」


このおなかのあなからおちるにくのようにはいかない。


にがさない―――そう、永遠に憎もう。


――私がいる。

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