閑話736・『つみれじる2』

制御出来無い力は力では無い。


制御出来てない時点で力では無い。


しかしその制御し切れていない力が形を得たのは自分だ。


「まただ」


『細きれ肉』


「言うな」


殺した獲物に加減が出来て無かった。


つみれ汁……なんだかお腹が膨らまないような。


「質量は変わら無いのに」


『そだね』


「うぅ」


『自分のせいだから諦めな』


「諦めきれ無いぜ」


『つみれじゃん』


「………ハンバーグにしよう」


『すごい、満足度が変化した』


「だろ」


どうしてそこでどや顔が出来るのか。


おかしな成長しちゃってまあ。


「うむ」


『まあ、本当なら飛び散ら無いように殺すのが大事なんだけどね』


「う、うむ」


『頑張ろうね』


ついついそう答えてしまった。


即座にキョウが予想外の言葉を吐き出す。


「頑張りはしない」


『んなっ?!』


「しないぜ」


ハンバーグでも?

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