閑話735・『つみれじる』

制御出来無い力は力では無い。


制御出来てない時点で力では無い。


しかしその制御し切れていない力が形を得たのは自分だ。


「まただ」


『細きれ肉』


「言うな」


殺した獲物に加減が出来て無かった。


つみれ汁……なんだかお腹が膨らまないような。


「質量は変わら無いのに」


『そだね』


「うぅ」


『自分のせいだから諦めな』


「諦めきれ無いぜ」


『つみれじゃん』


「………ハンバーグにしよう」


『すごい、満足度が変化した』


「だろ」


ついついどや顔してしまったが質量的には変化無し。


それなのに満足度が違うなんて不思議だぜ。


おかしな話。


「うむ」


『まあ、本当なら飛び散ら無いように殺すのが大事なんだけどね』


「う、うむ」


『頑張ろうね』


頑張った結果がつみれ汁なのだから頑張ら無い方が良いだろ。


絶対いいだろ。


うん。


「頑張りはしない」


『んなっ?!』


「しないぜ」


ハンバーグでもな。

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