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閑話７３２・『いるもの２』
湖畔の街でお腹を鳴らしても現実では無いので意味は無い。
虚しく音が響き渡るだけ。
「腹減った」
「この世界の食べ物を食べればいいじゃん」
「膨れないだろう、お腹」
「太らなくて良いよねェ」
口元に手を当てて上品に笑う。
キョウは不思議そうに私を見る、同じ顔だよ？
「いや、お腹空いた状態より太った方がマシだぜ」
「そう」
「会話を打ち切るな」
「だって太ったキョウなんて見たく無いモノ」
「モノ？」
「モノ」
口止めするように強く言い放つ。
んふふ。
「あっ、お腹空きたくないって思ったら止んだぜ」
「望んだままの世界だからね」
「へえ」
「だから私しかいない」
「ん？」
当たり前だよね。
わかりやすいよ。
「私しかいらないもんね」
「んと」
答えて良いものかな。
応えて良いものかな。
悩む？
「そうかな」
「そうだよ」
「そうか」
「そうｌ
お腹の音も思考も止まる。
何時だって。
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