閑話730・『すてるほう2』

なにもかもがにくいのはすてられたせいだ。


きくたにすてられたせいでおれはおかしなことになった。


わるいのはいくたやかかかやれいで、おれはわるくないはずだ。


わるいのはいつだって。


―――あの三人だよ。


「おれも」


おれはわるいのかな、わるくないのかな。


わからない、でもいいこにはしてきた、さんにんのことばをしんじた。


そうしたらすてられた。


「すてられるほう」


「すてるほうじゃない」


そんなことしっている。


ずっとしっている。


しってる。


「うぅ」


しりたくないのにしっている。


しりたくなかった、すてられたくない、さんにんがすてた。


さんかいすてられた。


――酷いねェ。


「うぅう」


さんかいも。


にかいも。


いっかいも。


おぼえてる。


「すてたい」


すてられるのではなく。


すてるほうになりたい。


ほんとうにそうなのか。


そうなのか。


もう――私しかいない。


――ふふ。


「すてられたくない」


――無理。


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