閑話685・『♀くま2』

湖畔の街は相変わらず時間の流れが遅い、体感的なものなのかなとも思うし、そうでは無いのかも。


キョウが修行をしたいと言ったから適度に虐め抜いた。


適度にね。


「いてぇ」


「そりゃ本気で戦ってくれって言われたらね」


「いてぇ」


「二割だけどね」


「二割?!」


「二割」


キョウの横に腰掛けながら告げる、何故か驚愕する半身。


どうして?


「失礼な事を考えて無い?」


「考えて無い、メスの熊について考えてた」


「へぇ」


「メスの熊」


「ふぅん」


「暴力的なメスの熊」


「――――――――――」


「の事」


「そう」


へえ、熊ね。


へえ。


「熊め」


「ううん?」


「い、いや、なんでもねぇぜ」


「せめてメスは付けようね」


「―――――――――」


「せめてね」


せめてねェ。

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