閑話644・『埋める産める』

エルフを植えたらエルフが生えるかなと。


当たり前の疑問にキョウは何も答えないので勝手に栽培を開始する。


「開始から三日目、くさっ」


『草じゃないしね』


「?お?」


『くさ』


「しかしここまで腐るとは、水のやり過ぎか」


『違うと思う』


だったらどうして腐ってしまったのだろうか、植えたら元気になれ。


植えたのにこれでは俺が飢えてしまう。


「植えたのに飢える」


『くんくん、くしゃい』


「うぅ」


『もう全部埋めて埋葬しようよ』


「まいそう?」


『そうそう、どっちみち食べたく無いし』


「まいそう、マイ草」


『草じゃないよ、お肉だから』


「………」


『埋めましょうねェ』


「わ、わかった」


土で全て埋めてしまえば死臭も少なくなる。


生まれる可能性も少なくなる。


死んだ。


「この子はもう諦めよう」


『そうだそうだ』


「次は生きたまま埋めよう」


『ちょい待ち………』


「待たん」


さあ、エルフを探すかァ。

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