閑話638・『言葉盗み』

ストーカーを食べたら違和感があったので口から引き抜く。


血塗れになった俺の下着が出て来た、体育座りをして空を見る。


「凹むぜ」


『凹むよね』


「やっぱ保存食じゃねぇわ、動く保存食でもねぇわ、変態だわ」


『当たり前だよね』


「見ろ、白色の下着が赤色に」


『見たく無いよねェ』


「見ろ」


『…………』


「生理でもこう」


『ぶん殴るよ』


「ごめんなさい」


一切の感情の無い声に素直に謝る、自分自身の声なのに死ぬほど怖い。


捨てよ。


「べしゃって」


『………』


「う、埋めるか」


『………』


「お墓にしよう」


『おバカ仕様』


「ん?」


何だか聞き捨てなら無い様な事を言われた。


でもまあいいか。


「完成したぜ」


『感性おかしい』


「ん?」


どうも言葉の端々を良いように利用されている。


まあいいか、木の枝を立てとくか。


「完成だぜ」


『―――』


無言は止めてくれ。

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