閑話617・『おしまいえるふ』

キョウがエルフを好きなようにエルフもキョウが好きだ。


事細かに説明すると狂気でしか無く、大雑把に説明すると眩暈がする。


兎も角、エルフがエルフを『調理』して捧げて来た、それだけの事。


「うまうまうまうまうま」


『その捧げに来たエルフまで食べるとは』


「料理して無い方がうまい」


『え』


「素材の味が楽しめるぜ」


『浮かばれない、報われない、成仏できないね』


「しるか」


『味は?』


「うまい」


『知ってる事もあるじゃん』


「ま、まあ、エルフの事は任せとけ」


キョウったら強がって――――少しエルフに『同情』を感じるようになった癖に。


余計な癖だ。


「エルフがエルフを捧げるとか」


『滑稽だねェ』


「そ、そうか」


『愛情?』


「俺に?」


『そうそう』


「それは」


『やだねェ、餌風情が』


「それは」


『どっちも餌風情なのに、餌が餌を調理とかキモイ』


「それは」


『よね?』


「あ」


答えられ無くなったらお終いだね。

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